二次交通

二次交通とは

二次交通（にじこうつう）とは、利用者が目的地に到達するために、複数の異なる交通機関や移動手段を乗り継ぐ際に、最初の交通機関（第一次交通）に続いて利用される二つ目の交通機関や手段全般を指す言葉です。例えば、自宅から最寄りの駅まで自家用車で移動し、そこから電車で目的地近くの駅まで行き、さらにその駅からバスに乗って最終目的地へ向かう場合、この「駅からバス」の部分が二次交通に該当します。

この概念は、主に鉄道駅や主要な交通拠点から、最終的な目的地である学校、職場、あるいは観光名所などへ移動する際によく見られる形態を指します。通勤や通学の文脈で利用されることも多いですが、特に観光分野においてその重要性がしばしば議論されます。

観光における二次交通の役割

現代社会において、自動車に頼る移動が主流となった地域も多いですが、すべての観光客が自家用車を利用して目的地を訪れるわけではありません。公共交通機関、特に鉄道や高速バスなどを利用して旅をする旅行者にとって、目的地までのスムーズな移動を可能にする二次交通の存在は不可欠です。駅から宿泊施設や観光スポットへのアクセス手段が充実しているかどうかは、その地域を選んでもらう上での大きな判断材料となります。

このため、全国各地の観光地では、魅力的な食体験や自然景観などと並び、二次交通の確保と利便性の向上が、観光客を誘致し、地域経済を活性化させるための極めて重要なポイントと位置づけられています。十分な二次交通手段がない場合、せっかく主要な交通機関で地域まで来ても、その後の移動に不便を感じ、観光地での滞在時間や消費が制限されてしまう可能性があります。

近年の取り組みと動向

このような背景から、近年では多くの自治体や観光協会が二次交通の充実に向けた様々な取り組みを進めています。例えば、地域内の主要な観光スポット間を効率的に巡回するコミュニティバスを運行したり、既存の路線バスの運行ダイヤやルートを見直したりする例が多く見られます。

また、地球温暖化防止への貢献や、観光地の中心部における交通渋滞を緩和する目的で、自家用車を郊外に設けられた駐車場に停め、そこから路線バスや専用のシャトルバスに乗り換えてもらう「パークアンドライド」と呼ばれる施策を推進する動きも広がっています。これは、環境負荷を軽減しつつ、観光客の利便性を損なわずに目的地へのアクセスを提供する試みです。

二次交通の具体的な組み合わせ例

二次交通は、第一次交通と組み合わせて利用されます。主な組み合わせの例（後者が二次交通）としては、以下のようなものが挙げられます。

観光

鉄道 → 路線バス
自家用車（特定の駐車場まで） → 路線バス
自家用車（特定の駐車場まで） → シャトルバス

通勤・通学

鉄道 → 路線バス
鉄道 → スクールバス
鉄道 → 自転車

関連する概念

二次交通の円滑な利用を考える上で関連する概念や取り組みには、以下のようなものがあります。

パークアンドライド（Park and Ride）
パークアンドバスライド（Park and Bus Ride）
インターモーダル輸送
交通結節点
* ゾーンバス

これらの概念は、複数の交通手段を連携させ、利用者にとってより便利で効率的、そして環境に優しい移動システムを構築しようとする考え方に基づいています。

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