二見史郎

二見 史郎の概要

二見史郎（ふたみ しろう）、1928年生まれの美術史家は、日本におけるファン・ゴッホ研究の第一人者として知られています。愛知県立芸術大学の名誉教授でもある彼は、長年にわたり美術史とその教育に尽力してきました。特に、ファン・ゴッホに関する研究は彼の業績の中心を成しており、多くの著書や翻訳を通じて、彼の作品や思想を広めてきました。

来歴

神奈川県に生まれた二見は、1951年に東京大学の文学部哲学科を卒業しました。その後、愛知県立芸術大学に教授として迎えられ、日本の美術教育の発展に貢献しました。さらに、日本大学大学院芸術学研究科でも教授を務め、数多くの学生に影響を与えました。彼の教育姿勢は、学問の深化のみならず、学生への指導においても高く評価されています。

著書

彼の著作には、以下のような重要な作品が含まれています：

• - 抽象の形成 ゴッホからモンドリアンまで（紀伊國屋新書 1970年、復刻単行版 1994年1月）
• - 抽象芸術の誕生（紀伊國屋書店 1980年8月）
• - ファン・ゴッホ詳伝（みすず書房 2010年11月）

これらの著書は、ゴッホの芸術を新たな視点で分析するものであり、特にファン・ゴッホの独自のスタイルやアプローチを深く掘り下げています。

翻訳

また、二見は多くの翻訳も手がけており、以下のような作品があります：

• - ファン・ゴッホ書簡全集（宇佐見英治・島本融・粟津則雄共訳、全3巻 みすず書房 1963年）、その後の全6巻版（1969-1970年、新版1984年）も改訂版として発表されました。
• - 画家のノート アンリ・マティス（みすず書房 1978年、新装版2023年）
• - モダン・アート 19-20世紀美術研究（メイヤー・シャピロ、みすず書房 1984年1月）
• - ファン・ゴッホとミレー（ルイ・ファン・ティルボルフ編、みすず書房 1994年10月）

彼の翻訳は、海外の美術史や芸術理論を日本の読者に紹介する重要な役割を果たし、国内の美術研究に貢献してきました。

まとめ

二見史郎の業績は、美術史におけるファン・ゴッホの位置づけを再評価し、さらなる理解を促進させるものであり、今後もその影響力は色褪せることはないでしょう。彼の貢献は、後進の学者や学生たちにとっても大きな指針となっています。

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