二見甚郷

二見甚郷は、1888年10月16日に宮崎県東諸県郡高岡町（現在の宮崎市）で生まれました。彼は、宮崎県立宮崎中学校、第七高等学校造士館を経て、1915年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。同年、外交官及領事官試験に合格し、外務省に入省。外交官としてのキャリアをスタートさせました。1923年に外務省を退官するまでの間、国際社会における日本のプレゼンス向上に努めました。

1928年、二見は政界に転身し、衆議院議員に当選。政治家としての活動を開始しました。彼は、1933年には在郷軍人の国家主義団体である明倫会を結成し、宣伝部長に就任。国家主義的な思想を広める活動にも関わりました。1941年には駐タイ公使に任命され、外交官としてのキャリアを再開しましたが、第二次世界大戦の終結とともに帰国しました。

1945年、二見は宮崎市長に就任し、地方行政に携わりました。1947年の公選制となって初めての宮崎県知事選挙では、トップ当選を果たしたものの、法定得票数に届かず、安中忠雄との決選投票に臨むことになりました。しかし、投票直前に公職追放となり、知事の座を一時的に失いました。公職追放解除後の1955年の知事選挙で再び当選し、県知事として1期を務めました。1959年に知事を辞職した後、同年の第5回参議院議員通常選挙で宮崎地方区から自由民主党公認で立候補し、見事当選を果たし、参議院議員としても1期活動しました。

二見甚郷は、政治家、外交官として、地方行政から国政まで、幅広い分野で活躍しました。彼の人生は、激動の時代の中で、国家や地方のために尽力した一人の人物の足跡として、今もなお記憶されています。1968年11月17日に81歳でこの世を去りました。彼の死没日をもって、正五位から従四位に叙されています。

二見は、その功績から、1920年（大正9年）に勲六等瑞宝章、1965年（昭和40年）には勲二等瑞宝章を受章しました。これらの栄典は、彼の国家への貢献を称えるものです。彼の生涯は、激動の時代を生き抜いた政治家、外交官としての多面的な姿を現代に伝えています。

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