于静遠

于静遠（う せいえん）

于静遠は中華民国と満州国において重要な役割を果たした政治家であり軍人です。彼の本名は于静遠であり、字は任樸です。その家族背景には父于冲漢がいます。彼の経歴はスイス陸軍士官学校を卒業した後に始まります。

初期の職業経歴

帰国後、于は奉天派に属し、奉天自治指導部の顧問や省立東北大学の教授として活動を開始しました。さらに、東三省特別区警察第三総署の署長を務めるなど、多岐にわたる役割を担いました。その後、東三省鉄路護路軍総司令部参謀や東北船政局の顧問を兼任し、東三省特別行政区行政長官公署の参議としても活躍しました。

満州事変とその後

1931年9月18日に満州事変が勃発した後、于静遠は奉天自治指導部の顧問兼自治訓練処の処長に任命され、事態の収拾に向けて尽力しました。1932年3月に満州国が設立されると、于は阮振鐸や山口重次、小澤開作と共に満州協和党（後の満州国協和会）を結成しました。この党の一員として、于は同年夏には満州国協和会の総務処長に就任しました。

政治的な昇進

その後、于静遠は1933年12月に駐日公使館の参事官に任命され、1937年3月には満州協和会の中央本部長に就任しました。続いて、同年7月には国務院臨時訂立条約準備委員会の委員となり、1938年2月10日には新京特別市の市長に就任しました。そして、8月には国務院企画委員会の一般委員として活動を開始しました。

1940年5月には産業部大臣に就任した後、産業部が興農部に改組されても興農大臣としての職務を続けました。さらに、1942年9月には民生部大臣、1944年12月には経済部大臣と、さまざまな重要な役職を歴任しました。

滅亡後の運命

しかし、満州国の崩壊の後、于静遠はソ連に逮捕され、シベリアに送られました。彼はその後、中華人民共和国に引き渡され、撫順戦犯管理所に収監されました。1966年には特赦を受けて釈放されましたが、1969年11月12日に死去しました。享年は72歳でした。

参考文献

• - 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。
• - 王鴻賓ほか主編『東北人物大辞典 第2巻』遼寧古籍出版社、1995年。
• - 山室信一『キメラ－満洲国の肖像 増補版』中央公論新社（中公新書）、2004年。
• - 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。

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