五代響

五代 響氏（ごだい ひびき）は、1963年に大阪府で生まれた日本のゲームクリエイターです。本名である池田公平（いけだ こうへい）名義では、テクニカルライターとしても幅広く活動しており、技術的な知見に基づいた執筆を行っています（ただし、同姓同名の駿河屋代表取締役社長とは異なる人物です）。

五代氏のキャリアは、1980年代前半に雑誌『月刊アスキー』へプログラムを投稿したことから始まりました。この経験がゲーム開発の世界への扉を開き、ゲームクリエイターとしての道を歩み始めます。特にゲームアーツ在籍時には、コンピュータゲーム史において画期的な作品として高く評価される「テグザー」や、当時最先端の3D技術を駆使したシューティングゲーム「シルフィード」といった代表作を手がけました。これらの作品は、当時のパソコンゲーム市場において多大な影響を与え、五代氏の名前を広く知らしめるきっかけとなりました。

1987年12月には、自身の理念に基づく開発環境を追求するため、独立を決意します。そして、有限会社テクニカルアーツを設立し、その代表取締役に就任しました。以降、テクニカルアーツを拠点として、ゲーム開発だけでなく、様々な技術分野での活動を展開しています。

五代氏が関わった作品は、キャリア初期のパソコン黎明期から、家庭用ゲーム機、さらには現代のスマートフォンまで、多岐にわたるプラットフォームに及んでいます。その主な作品は以下の通りです。

主な作品

PC-6001向け
AX-6 (デモプログラム)
AX-7 (デモ、ポリスアンドギャング、ゴッドハリケーン)
AX-8 (デモプログラム)
SX-1 (デモ、サウンド開発)
SX-2 (デモ、サウンド開発)
MSX向け
ライズアウト（アスキーより発売）
テセウス
ペアーズ
ローターズ
トライアルスキー
スターコマンドΣ
PC-8801その他PC向け
テグザー
シルフィード
Windows PC向け
SL BENCH
SLシミュレーター蒸気機関士
いぬうち
ゲーム機向け
テグザー（ファミコン版）
ロードランナー（プレイステーション版、セガサターン版）
ラグナロクオデッセイ（PS Vita版）
携帯／スマートフォン向け
ライズアウト (iPhone版)

ゲームクリエイターとしての活動に加え、五代氏は非常に多才であり、ゲーム以外の分野でも精力的に活動しています。例えば、2輪ロードレースの世界では、国際（旧国際A級）ライセンスを持ち、レーシングチームAMENAに所属していた経験があります。ウィンタースポーツでは、ファンスキーのインストラクターとして、ファンスキーチーム跳蟲に所属し、技術指導を行っていました。また、ドイツワインに関しても深い造詣を持ち、ドイツワイン協会の会員であるほか、古賀ドイツワインアカデミーを修了し、ドイツワイン師範塾でも専門的な知識を習得しています。さらに、ドイツワイン土方飲みの会の会員としても活動しており、ワインへの情熱を様々な形で表現しています。

五代 響氏は、『月刊アスキー』への投稿から始まり、ゲームアーツでの代表作、そして独立後のテクニカルアーツでの活動と、日本のゲーム業界において重要な足跡を残してきました。同時に、テクニカルライターとしての一面や、ロードレース、ファンスキー、ドイツワインといった幅広い趣味における深い関わりは、彼の多角的で探求心に溢れた人物像を物語っています。ゲーム開発の世界だけでなく、様々な分野でその才能を発揮し続けているクリエイターと言えるでしょう。

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