五十嵐喜芳

五十嵐喜芳（いがらし きよし）

日本の声楽家（テノール歌手）であり、オペラ界の発展に貢献した人物です。1928年9月8日に兵庫県神戸市で生まれ、2011年9月23日に急性心筋梗塞のため東京都大田区の自宅で亡くなりました。享年83歳。

プロフィール

甲陽学院高等学校を経て東京芸術大学を卒業。大学在学中の1955年には、第24回NHK・毎日音楽コンクール（現・日本音楽コンクール）の声楽部門で特賞を受賞しました。その後、中川牧三、四家文子らに師事し、本格的に声楽の道へと進みました。

1966年に『カルメン』のドン・ホセ役で舞台デビューを果たし、テノール歌手としてのキャリアをスタート。1985年から1999年6月まで藤原歌劇団の総監督（第3代）を務め、日本のオペラ界を牽引しました。さらに、1999年から2003年まで新国立劇場オペラの芸術監督（第2代）としても活躍しました。

オペラ以外の活動

音楽活動以外にも、幅広い分野で活躍しました。1974年からTBSのワイドショー『3時にあいましょう』の3代目男性司会者として出演。1978年にはドラマ『コメットさん』にレギュラー出演するなど、テレビの世界でもその名を知られるようになりました。

また、教育者としてもその手腕を発揮しました。2000年には昭和音楽大学の学長に就任（2007年まで）、同短期大学部の学長も務め（2009年まで）、後進の育成にも力を注ぎました。さらに、日本オペラ振興会の常任理事や宝塚音楽学校のカリキュラム編成アドバイザー（声楽）なども歴任しました。

受賞歴

数々の賞を受賞しており、その功績は高く評価されています。

1963年：『椿姫』で毎日芸術賞
1991年：紫綬褒章
1998年：勲三等瑞宝章
1999年：イタリア共和国功労勲章（コンメンダトーレ）

家族

実娘はソプラノ歌手の五十嵐麻利江です。

映画出演

幸福号出帆（1980年、東映セントラルフィルム） - 大川順 役

まとめ

五十嵐喜芳は、テノール歌手としての卓越した才能に加え、テレビ出演や教育活動を通じて、日本の音楽文化の発展に大きく貢献しました。その多才な活躍は、多くの人々に影響を与え、今もなおその功績は語り継がれています。

外部リンク

五十嵐喜芳 - NHK人物録

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