五合桝遺跡

五合桝遺跡について

五合桝遺跡（ごんごうますいせき）は、神奈川県鎌倉市の極楽寺一丁目に位置する中世の城郭遺跡です。この遺跡自体は国の指定物件ではありませんが、2006年に国の史跡に指定された「仏法寺跡」内に含まれています。

場所と構造

五合桝遺跡は、江ノ島電鉄の極楽寺駅の東方向、成就院の裏山の山頂にあります。遺跡は方形の土塁に囲まれた曲輪状の形態を持っています。また、五合桝遺跡の北西約700メートルの場所には、一升桝遺跡（いっしょうますいせき）というより大きな城郭遺構が存在し、これも地元で名付けられた名称です。

歴史的背景

神奈川県教育委員会と鎌倉市教育委員会は、2000年に五合桝遺跡の調査を行い、一升桝遺跡と同じく、13世紀中頃から14世紀前半にかけて、街道を監視する役割を持った城郭として位置付けました。五合桝遺跡は、一升桝遺跡と対の役割を果たし、後に14世紀終わり頃には供養の場として利用されるようになったと推測されています。

五合桝遺跡が位置する丘は東山麓に広がっており、13世紀後半から17世紀中頃まで存在した「仏法寺」という寺院跡もこの辺りにあります。2002年には、この仏法寺跡において礎石を持つ建物跡や池跡、供養地が発掘されるなど、重要な遺構が確認されています。

学術的評価と論争

鎌倉市及び文化庁は、五合桝遺跡を鎌倉時代後半から南北朝時代前半ごろの城郭として評価しています。これに基づき、城郭から供養の場へと用途が変遷したことが確認されているとされています。しかし、土塁以外には堀切などの防御的な特徴が見られないことから、学者の西股総生は、この遺構を単なる寺院関連のものとして再評価するべきだと考えています。

結論

五合桝遺跡は、その位置や歴史的背景から、中世の城郭の一部としての重要性が高い場所ですが、その性質にはまだ議論の余地が残されています。今後の調査や研究により、この遺跡の全貌がさらに明らかになることが期待されます。

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