五島盛利

五島 盛利（ごとう もりとし）

概要

五島盛利は、肥前国福江藩の第2代藩主で、五島家の22代目当主です。彼の生涯は、藩の権力強化に尽力し、数々の政策を通じて藩政の基盤を確立したことに特徴づけられています。

生涯

盛利は天正19年（1591年）に宇久盛長の長男として誕生しました。文禄3年（1594年）に、五島玄雅の養子となり、慶長8年（1603年）には徳川家康に拝謁して正式な世子として認められました。慶長17年（1612年）に養父の玄雅が亡くなった後、家督を継承し、藩主としての道を歩み始めます。

就任早々から、盛利は藩の権力を強化する施策を推進しました。慶長18年（1613年）から、彼は家臣団の城下移住を促進し、兵農分離を進める福江直りと呼ばれる政策を実行。当初は順調に見えましたが、慶長19年（1614年）には居城の江川城が炎に包まれ、その後大坂冬の陣への出兵が避け得ぬ事態となったため、政策は一時的に行き詰まりました。

大浜主水事件

元和5年（1619年）には、大浜主水事件が発生しました。この事件は、盛利の失政を理由に、養子である大浜主水が後継権を主張し、幕府に直訴したものでした。しかし、幕府は盛利の正統性を認め、その結果として主水とその支持者たちは処刑されました。この事件は、後の元禄期にも影響を与える問題として、藩内に禍根を残すことになりました。

藩主権力の確立

寛永11年（1634年）までに、盛利は福江直りの政策を完成させ、藩の権力を確立しました。その一環として、長子相続制を導入し、検地を実施することで藩政の基盤を固めました。また、彼の施策は、福江藩の発展に寄与する重要な役割を果たしました。

晩年と死

寛永19年（1642年）7月19日、盛利は亡くなりました。享年52歳という若さでの死去ですが、異説もあり、寛永21年（1644年）7月19日が用いられることもあります。彼の後を継いだのは長男の盛次であり、五島家の次代へのバトンが受け継がれました。

系譜

盛利の父は宇久盛長、母は側室である芳春です。養父は五島玄雅です。正室は奈留八太の娘で、継室には七里玄通の娘がいます。盛利の子女には長男の盛次、三男の盛清、さらに日向正春の妻となった普照院がいます。これらの子供たちは、五島家の歴史に重要な役割を果たしました。

参考文献

• - 中島功『五島編年史 下巻』 国書刊行会 1973年

五島盛利の名前は、福江藩の歴史に深く刻まれており、彼の施策と生涯は、藩の未来に大きな影響を与えるものでした。

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