五式四十粍高射機関砲

五式四十粍高射機関砲の概要

五式四十粍高射機関砲（5しき40みりこうしゃきかんほう）は、第二次世界大戦期間に大日本帝国が開発した対空機関砲です。この砲は、太平洋戦争の初期における日本の軍事戦略において重要な位置を占めていました。

機関砲の発展

1942年、マレー作戦によってマレー半島を占領した大日本帝国陸軍は、イギリス軍からボフォースの60口径40mm機関砲を鹵獲しました。南方軍は、シンガポールとジャワ島で合計60門のボフォース砲を捕獲し、そのうち2門を陸軍技術本部に送付しました。ここで弾薬の設計と製造が行われ、機関砲の優れた性能が日本軍での導入を促しました。しかし、国産化の道は険しく、陸軍においては1945年5月にわずか2門が完成するにとどまりました。その後、同年7月に押収したボフォース砲を改造して、さらに3門が完成しました。

陸軍での調達計画は110門に設定されていましたが、昭和20年中に生産できる見込みは35門のみでした。このように、国産化が進展しなかった背景には資源の不足や技術的な課題がありました。

弾薬の特徴

終戦当時、大阪の枚方製造所には三式高射尖鋭弾が13,000発、京都の山科精工所には22,000発の完成品及び半途品、和歌山鉄工所には両方合わせて82,000発が在庫されていました。これらは全て三式高射尖鋭弾であり、重さは2.21kg、弾頭には一式瞬発自爆信管が装着されています。弾体の中央には起爆筒があり、炸薬が詰められています。さらに、弾体の後部には曳光剤点火具と曳光剤が充填されており、精確な射撃を可能にしていました。

海軍による利用

大日本帝国海軍でも五式四十粍高射機関砲は採用され、神島型敷設艇や海防艇の艦載砲として運用されました。特に、陸上配備用の砲も含めて、横須賀海軍工廠では15基、豊川海軍工廠では20基が製造されたと言われています。このように、陸軍と海軍の双方で使用されることにより、五式四十粍高射機関砲は対空能力を強化する中核となりました。

結論

五式四十粍高射機関砲は、当時の日本の軍事技術の粋を集めた武器の一つであり、海軍と陸軍での運用がもたらした相乗効果が戦局に影響を与えたかもしれません。それゆえ、この対空機関砲の開発と運用の歴史は日本の軍事史において重要な部分を占めています。

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