五明楼玉輔

五明楼玉輔（ごめいろう たますけ）

五明楼玉輔は、落語の名跡です。現在、5代目以降は空位となっています。

五明楼玉輔の名跡について

五明楼玉輔の名は、落語界において重要な位置を占めています。この名跡を継いだ噺家たちは、それぞれの時代で独自の芸風を確立し、多くの人々に愛されてきました。なお、平成に入ってから春風亭あさ市が、真打昇進時に五明樓玉の輔と改名しましたが、6代目とは名乗っていません。

2代目五明楼玉輔

2代目五明楼玉輔は、後に玉の家梅翁と改名しました。

5代目五明楼玉輔

5代目五明楼玉輔は、後に2代目柳亭市馬と改名しました。

初代 五明楼玉輔

初代五明楼玉輔（1802年 - 1868年5月30日）は、本名を津国屋長兵衛（長三郎）といいました。その芸歴は多岐にわたり、船遊亭（萬笑亭）扇幸の門下で秀幸を名乗った後、初代金原亭馬生門下で福内庵馬長、初代鈴々舎馬風、2代目金原亭馬生、2代目立川焉馬、講談師の桃林亭東玉と師を替え、初代立川玉輔、そして1852年に初代五明楼玉輔となりました。この頃、湯島天神境内の蔭間茶屋「津国屋」に入夫しています。晩年には連城亭玉童と改名しました。

講談時代には義士伝を得意とし、噺本「鬼笑福茶釜」を残しました。4代目船遊亭扇橋は実子です。弟子には、馬扇改め2代目金原屋馬之助（漆屋万蔵）、初代花林花鏡、林々舎馬勇（水沢長三郎）、2代目玉輔、2代目古今亭志ん生らがいます。

3代目 五明楼玉輔

3代目五明楼玉輔（1847年2月26日 - 1918年10月19日）は、本名を川村赤吉といいました。父は初代金原亭馬きん、母は2代目志ん生の姉で、甥に活動弁士の松井翠声がいます。3代目金原亭馬生の門下で馬勢を名乗り、父の死後、2代目馬きんを襲名しました。地方での巡業を経て1875年頃に東京に戻り、3代目玉輔を襲名しました。1900年に講釈師となり大箆坊寿観と名乗りますが、後に玉輔に戻り、1906年に病気で引退しました。弟子には、蓁々斎桃葉（3代目人情亭錦紅）、五明楼国輔（青柳茂蔵）、五明楼玉若（後の新派の俳優福井茂兵衛）、2代目松柳亭鶴枝らがいます。

4代目 五明楼玉輔

4代目五明楼玉輔（1856年10月 - 1935年5月24日）は、本名を原（一時平野）新左衛門といいました。江戸の旗本の家に生まれましたが、維新後に商売に失敗し、1875年に2代目古今亭志ん生の門下となり、古今亭志ん好を名乗りました。1876年に西南戦争に従軍し、兵役後、志ん多、1893年8月に本名からとった古今亭新左衛門、同年10月に古今亭今朝と改名。明治30年代は大阪三友派でも活躍しました。1905年に五明楼春輔を経て、1906年11月に4代目玉輔を襲名しました。

得意ネタは「小言念仏」で、「小言念仏の玉輔」と呼ばれ、風貌から「かっぱの玉輔」とも呼ばれました。晩年は柳家金語楼の一座にいました。墓石は日暮里の善性寺にあり、「柳家金語楼建之」と刻まれています。戒名は「清明院玉輔信士」です。実子に五明樓玉の助がいます。

まとめ

五明楼玉輔の名跡は、初代から4代目まで、それぞれ個性的な噺家たちが受け継ぎ、落語界に大きな足跡を残しました。彼らの芸は、現在も多くの人々に愛され、語り継がれています。

出典：ご存じ古今東西噺家紳士録

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