柳家金語楼

初代柳家金語楼の生涯と業績

初代柳家金語楼（やなぎや きんごろう）は、1901年2月28日に東京で生まれました。本名は山下敬太郎。落語家、喜劇俳優、陶芸家にして、発明家や作曲家としても名を馳せました。特に喜劇の世界で三大喜劇人の一人として知られており、彼の特徴的な禿頭は人気の一因となりました。

来歴

金語楼は、落語家としてのキャリアを始めたのは1907年で、当時は2代目三遊亭金馬の一座で「天才少年落語家」として名を馳せました。彼は、その後三遊亭小金馬を名乗り、さらに3代目柳家小さんの門下に移り、初打ちとしての真打昇進を果たしました。その後、しばらくの間、落語家として活躍し続けました。

1921年には陸軍に入隊しますが、戦地で生じた体調の不調により、戦後は新作落語に挑戦しながら、繁忙を極めることになります。1924年には初代柳家金語楼を名乗り、自己の地位を確立しました。

戦後は、吉本興業に所属し、ここで多くの喜劇作品に出演しました。1942年には、落語家の鑑札を返上し、喜劇の道へと進みました。その後、金語楼劇団を旗揚げし、戦後の日本に新たな喜劇の風をもたらしました。

芸人としての活動

金語楼は、戦前に吉本興業の五大スターとしても知られ、数々の映画に出演し、またプロデューサーとしても成功を収めました。戦地での慰問活動として、中国大陸を巡回しながら多くの作品を創り上げ、人気を博しました。特に、落語の本来の形式に新しい要素を加えた新作落語が高く評価され、数多くの作品が世に送り出されました。

彼が出演した映画は多数ありますが、その多くが吉本興業のものです。特に1935年から1959年にかけての出演作は多岐にわたり、主演作として記憶に残っています。中でも『俺は水兵』や『おトラさん』などは代表作として名高いです。

忘れられないエピソード

金語楼は、私生活においてもいくつかの興味深いエピソードを持っています。彼は、経済的に困難な状況にあった時代に、5人の妻と子供たちを支えるために自らのギャラを分け与えたとされます。このことは、彼のユニークな人格と人間性を物語っています。結局、彼は自身の才能と努力によって難局を乗り越え、喜劇俳優としての名声を得ることになります。

影響と評価

金語楼は、卓越した演技力とユーモアのセンスで、多くの後進に影響を与え、日本のエンターテインメントシーンに大きな足跡を残しました。彼の死後も、彼の業績や演技は長く語り継がれ、今なお多くのファンに愛されています。

1972年10月22日に金語楼は胃がんによりこの世を去りました。彼の功績を称え、品川本立寺に安置されています。今なお彼の名前は、落語や喜劇の分野で語り継がれています。

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