五毛党

五毛党とは

五毛党（ごもうとう）は、中華人民共和国において中国共産党に従属する世論誘導のためのインターネット集団を指す俗称です。この用語は、彼らがインターネット上で行う投稿に、かつては書き込み1件あたり5毛（つまり0.5元）が支払われることから由来しています。彼らの正式名称は網絡評論員であり、一般にはネット上での発言を通じて政府の方針を支持したり、批判者を攻撃したりする役割を果たしています。

歴史と名称の由来

五毛田の起源は2004年の長沙市の地方党委宣伝部に遡ります。この部門では、ネットコメンテーターに対して毎月の給与が設定されており、1回の投稿ごとに5毛が支払われる仕組みがあったため、この名前が生まれました。すなわち、五毛党は金銭的な報酬を受け取る人々による、体制への支持を目的とした世論誘導活動の象徴であると言えます。

活動内容と構成

五毛党は、一般市民を装いながら活動しています。彼らはコメント欄や掲示板上で、中国共産党政権の利益にかなった投稿を行います。また、政権に関する批判的な意見や話題から注意をそらすために、集団的な攻撃を仕掛けることもあります。こうした活動を通じて、世論を効果的に誘導する役割を担っています。2015年時点では、五毛党に属する活動者は約1,050万人と推定されています。

募集と規模

五毛党のメンバーは、主に大学の共産党組織や共産主義青年団などから募集されます。彼らは地方政府の宣伝部門と連携しながら、世論工作を行っているため、その役割は非常に流動的で多様です。特に、海外においても活動しており、フィルタリングされた中国本土以外のSNSプラットフォームにもアプローチしています。2019年の逃亡犯条例改正案を巡る騒動の際には、多くの偽アカウントが削除される事例もあり、中国政府の情報操作が指摘されました。

給与体系や報酬

五毛党の活動者の報酬は時折変動します。特に胡錦濤政権末期には、報酬が数倍に増えたとも言われています。しかし具体的な金額は明らかではなく、内部文書の漏洩によって一部の報酬については明らかになりました。この文書によれば、400字以上のプロパガンダ投稿に対して25米ドル（約160元）が支払われ、批判的な投稿の摘発には40セント（約2元5毛）が支給されるとされています。

まとめ

五毛党は、ネット上での活動を通じて中国共産党の政策を支持し、批判的な声を抑えるための重要な役割を果たしています。社会の多様な意見の中にあっても、彼らの存在は一際目を引く現象であり、現代における政治とインターネットの関係を考える上で、避けて通れない存在と言えるでしょう。

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