五箇公一

五箇公一

五箇公一（ごか こういち）は、1965年1月8日生まれの日本の昆虫学者、生態学者です。彼は博士（農学）の学位を京都大学で取得しており、専門分野は保全生態学、農薬化学、そしてダニ学です。

人物

神奈川県横浜市で生まれた五箇公一は、幼少期に父親を亡くし、その後は両親の故郷である富山県高岡市で育ちました。豊かな自然に囲まれた環境で育ったことが、彼が生き物への興味を持つきっかけとなりました。富山県立高岡高等学校を卒業後、京都大学農学部に進学。1990年には同大学大学院農学研究科昆虫学専攻修士課程を修了し、宇部興産に入社しました。

宇部興産では農薬研究部に所属し、主に殺虫剤や殺ダニ剤の研究開発に従事しました。在職中の1996年3月には、京都大学から論文博士として博士（農学）の学位を取得しています。

1996年12月からは国立環境研究所に転じ、『生物多様性の減少機構の解明と保全プロジェクトグループ』の総合研究官などを担当し、化学物質を規制する法律改正などにも関わりました。国立環境研究所に勤務する傍ら、東京大学、東京農工大学、お茶の水女子大学などで非常勤講師も務めています。

学位を持つ国立研究所の研究者でありながら、ロックファッションを好むという意外な一面も持ち合わせており、そのギャップが注目され、テレビのバラエティ番組にコメンテーターとして出演することもあります。

略年譜

1988年 - 京都大学農学部農林生物学科卒業
1990年 - 京都大学大学院農学研究科昆虫学専攻修士課程修了
1990年 - 宇部興産宇部研究所農薬研究部研究員
1996年 - 国立環境研究所地域環境研究グループ研究員
1998年 - 同 地域環境研究グループ主任研究員
2001年 - 同 生物多様性研究プロジェクトグループ主任研究員
2006年 - 同 環境リスク研究センター主席研究員（室長）
2020年 - 生物・生態系環境研究センター室長

研究内容

五箇公一は、保全生態学、農薬化学、ダニ学を専門としており、特に外来生物問題や生物多様性の減少機構の解明に力を入れています。農薬の生態影響評価や、外来生物の侵入・定着メカニズムの解明、それらの防除対策など、多岐にわたる研究テーマに取り組んでいます。

社会活動

五箇公一は、研究活動に加えて、中央環境審議会化学物質審査委員会委員や環境省の各種検討会委員など、多くの公職を兼任し、政策決定にも深く関わっています。また、テレビ番組への出演や著書・論文の発表などを通して、研究成果を広く社会に発信し、一般の人々への啓発活動にも積極的に取り組んでいます。

著作

『クワガタムシが語る生物多様性』創美社 2010年
『終わりなき侵略者との闘い~増え続ける外来生物~』小学館 2017年
『これからの時代を生き抜くための生物学入門』 辰巳出版 2020年

外部リンク

五箇 公一 GOKA Kouichi｜国立環境研究所
五箇　公一 - 研究者 - researchmap
KAKEN — 研究者をさがす | 五箇 公一 (90300847)
* 生物多様性って何？～研究者が語る | GreenTV Japan |環境映像専門グローバルメディア｜ - Green TV Japanインタビュー(2009.10.16)

五箇公一は、その研究活動と社会活動を通じて、生物多様性の保全と持続可能な社会の実現に貢献しています。

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