井上コオ

井上コオ

日本の漫画家。1949年（昭和24年）5月18日に神奈川県横浜市で生まれる。

経歴

漫画家として活動を開始する前に、望月三起也氏や江原伸氏のアシスタントとして研鑽を積んだ。その後、1969年（昭和44年）に集英社の『週刊少年ジャンプ』26号にて掲載された短編作品『必殺のクロスカウンター』で漫画家としてデビューを果たした。

同じく『週刊少年ジャンプ』誌上において、劇画原作者として知られる梶原一騎氏が原作を手がけた野球漫画『侍ジャイアンツ』の連載を開始し、大きな注目を集めた。この作品はテレビアニメ化もされるなど広く人気を博し、井上コオ氏の代表作として知られている。

『侍ジャイアンツ』の連載時には、後に著名な漫画家となる車田正美氏がアシスタントとして制作に参加していたというエピソードも残っている。

代表作以降も、井上氏は主に野球をテーマとした漫画作品を数多く発表した。梶原一騎氏による人気野球漫画『新巨人の星』のコミカライズ版では、子供向けの視点を取り入れた作品を手がけるなど、その活動は多岐にわたる。

野球漫画以外にも、ゴルフ漫画や警察漫画など、様々なジャンルの作品を制作している。また、プロ野球の歴史や選手に関する解説書的な作品にも携わっており、野球に対する深い造詣を示している。

主な作品

井上コオ氏が手がけた主な作品は以下の通りである。

侍ジャイアンツ
原作：梶原一騎
集英社『週刊少年ジャンプ』連載
主人公・番場蛮の破天荒な野球人生を描き、テレビアニメ化もされた代表作。

新巨人の星 コミカライズ版
原作：梶原一騎
講談社『テレビマガジン』連載
アニメシリーズ『新・巨人の星』を基にした、子供向けに再構成された作品。

デカ直次郎
原作：池本朗
少年画報社『週刊少年キング』連載
野球漫画以外のジャンルとして手がけた警察漫画。

豪球ヤマト
少年画報社『月刊少年ジェッツ』連載
野球を題材としたオリジナル作品。

ほえろ!闘志
協力：武石正道
講談社『コミックボンボン』連載
格闘技をテーマにした作品。

小松原三夫のまんがゴルフ実戦道場
指導：小松原三夫
ゴルフの実戦的な技術や知識を漫画で解説する作品。

名球会COMICS
全36巻からなるシリーズの一部を担当。
以下の4冊の執筆を手がけている。
第8巻 加藤英司 - グラウンドの野性児（作：江本正記）
第9巻 門田博光 - 限界を忘れたすごい奴（作：永島直樹）
第28巻 村田兆治 - 男のこだわり マサカリ投法よ永遠なれ（作：奥田益也）
第35巻 米田哲也 - 嵐呼ぶダンプ投法（作：江本正記）
日本のプロ野球界で活躍した名選手たちの半生やプレースタイルを描いたシリーズ。

漫画・うんちくプロ野球
監修：野球古書店ビブリオ
メディアファクトリー新書、2014年2月27日発売
プロ野球に関する様々な知識やトリビアを漫画で紹介する形式の書籍。

これらの作品群は、井上コオ氏が主に野球漫画家として活躍しながらも、他のジャンルや、野球というテーマを多角的に掘り下げる試みも行ってきたことを示している。

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