望月三起也

望月三起也：アクション漫画の革新者

望月三起也（1938年12月16日 - 2016年4月3日）は、日本の漫画界に大きな足跡を残した漫画家です。神奈川県横浜市出身の彼は、アクション漫画を中心に、その独特な作風で多くのファンを魅了しました。牧 英三郎、M・ハスラー、M・ストライカーといった別名義でも活動しています。

生い立ちと初期の活動

横浜駅の目の前で育った望月は、父親が宮大工という家庭環境にありました。神奈川工業高等学校を卒業後、建設会社に brief 就職するものの、漫画家への夢を諦めきれず1年で退社。1960年に『特ダネを追え』でデビューを果たしますが、連載には至らず、堀江卓や吉田竜夫のアシスタントとして経験を積みました。

タツノコプロでの活躍と『ワイルド7』の大ヒット

1962年、吉田竜夫が設立したタツノコプロダクションに参加。1964年には、日本版「007」とも称される『秘密探偵JA』を『少年キング』に連載し、最初のヒットを記録しました。そして1969年、彼の名を一躍有名にした『ワイルド7』の連載が開始されます。元犯罪者の白バイ隊員が、悪を容赦なく裁くという斬新なストーリーは、読者の心を掴み、前作を遥かに上回る大ヒットとなりました。1972年にはテレビドラマ化もされ、その人気は不動のものとなりました。

『ワイルド7』は1979年に一旦連載を終了しますが、その後も『新ワイルド7』、『続・新ワイルド7』、『飛葉』、『W7』、『ワイルド7R』、『ワイルド7R2』とシリーズ展開され、彼のライフワークとなりました。特に『ワイルド7R2』は、彼の遺作として、ファンにとって特別な意味を持つ作品となっています。

サッカーへの情熱と晩年

望月は、漫画家としてだけでなく、熱狂的なサッカーファンとしても知られていました。浦和レッズのサポーターであり、芸能人チーム『ザ・ミイラ』の監督を務めたり、藤枝ブルックスのマスコットキャラクターをデザインするなど、その情熱は漫画界以外にも広がっていました。

2016年3月、肺がんとの闘病中であることを公表し、余命宣告を受けながらも『俺の新選組』の続編執筆への意欲を示していました。しかし、同年4月3日、肺腺がんのため77歳で逝去。その功績を称えられ、死後の2016年5月9日には、第45回日本[[漫画家協会賞]]特別賞が贈られました。

作品の特徴と影響

望月三起也の作品は、主にアクション物を中心としながらも、ユーモラスな要素が散りばめられているのが特徴です。強弱をつけたペン使いや、映画的なダイナミックな構図は、彼の作品を象徴するものであり、スクリーントーンをほとんど使用せず、墨一色で描くスタイルも、独特の雰囲気を醸し出しています。

また、第二次世界大戦下の兵器や軍装、戦いの経過などに造詣が深く、その知識を活かした作品も多数手がけています。作画においては、アレンジやデフォルメを極力行わないリアリズムも、彼の作品の魅力の一つと言えるでしょう。

望月三起也は、その革新的な作風で、アクション漫画界に多大な影響を与えました。彼の作品は、今も多くの読者に愛され続けています。

主な作品リスト

特だねを追え（1960年）
秘密探偵JA（1964年）
ワイルド7（1969年）
ダンダラ新選組（1972年）
マシンハヤブサ（1976年）
新ワイルド7（1987年）
飛葉（2002年）
W7（2009年）
ワイルド7R（2011年）
ワイルド7R2（2015年）

映像化作品

ワイルド7 (TVドラマ、アニメ、映画)
マシンハヤブサ (アニメ)

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