井上久雄

井上 久雄 - プロゴルファーの軌跡

井上久雄（いのうえ ひさお）は、1947年4月30日に佐賀県で生まれたプロゴルファーです。彼は若かりし頃、サッカーや野球を経験しましたが、ゴルフに出会ったことでその道を選びました。有田工業高校を卒業後、オーツタイヤに勤務しながら準硬式野球を続けていた彼は、25歳で岸和田CCに転職したのを機に、ゴルフの魅力に引き込まれていきます。

1976年、初めてのプロテストに挑戦し見事合格、プロゴルファーの道へと進みました。その後、彼のキャリアは数々の大会での波乱に富んだ成績と共に確立されていきます。1980年のアジアサーキット・韓国オープンでは、日本勢最高の6位に入り、その名を広めました。1982年には兵庫県オープンで3位入賞を果たし、段々と活躍の場を広げていきました。

井上は1984年にも兵庫県オープンでの健闘や、デザントカップ北国オープンでの5位入賞を果たし、ゴルフ界での地位を確立していきます。この頃、彼のゴルフスタイルは特に「冷静さ」と「堅実性」が求められるものであり、彼自身もそれを体現する選手でした。1985年の関西オープンでは、強豪選手たちを抑えて2位タイに入るなど、さらなる成長を見せます。

1987年の富山県オープンでは最終日に67を出し、3位タイに入りました。1988年には兵庫県オープンで7位タイの好成績を収め、1991年にはミズノTOKYOオープンでついに優勝を果たしました。彼のプロとしてのキャリアにおいて、この勝利は非常に重要なものでした。

その後の1992年、彼は45歳という年齢でアコムインターナショナルにて見事優勝。これはツアーにおける最年長初優勝記録となり、その後も安定した成績を残し続けました。1993年にはデサントクラシックで6位タイ、1994年には2位タイを記録するなど、常に上位に顔を出す選手として活躍しました。

井上は1997年からシニアツアーにも参戦します。シニアに転向後も彼の成績は素晴らしく、1998年にはコマツ名古屋テレビオープンでシニア初優勝を飾り、その後も数回来た優勝を果たしました。特に2001年のつるやオープンを最後にレギュラーツアーから引退し、シニア競技を中心にスキルを磨き続けました。2002年にはアサヒ緑健TVQシニアでの優勝、2005年や2007年には他のシニア大会でも素晴らしい成績を収めていきます。

しかし、彼の人生には試練もありました。大腸がんを患い、その治療を経て復活した後には、肉体的な怪我にも悩まされる時期もありました。そうした困難を乗り越えてもなお、彼はプロゴルファーとしての道を歩み続け、2019年の日本プロゴールドシニアでは72歳でエージシュートを達成し、再び強い印象を残しました。

井上久雄のキャリアは、挑戦と成功、困難の克服が詰まったものであり、彼の精神力と努力は、多くのゴルファーにとっての目標であると言えます。彼の今後の活躍にも期待が寄せられることでしょう。

もう一度検索