井上堯之

井上堯之について

井上堯之（いのうえ たかゆき、1941年3月15日 - 2018年5月2日）は、日本を代表するギタリスト、作曲家、歌手、音楽プロデューサーです。本名は同じで、別名を井上 孝之、愛称としてイノヤンとも呼ばれました。兵庫県神戸市に生まれ、音楽に湧く情熱をもってキャリアをスタートさせました。

来歴

兵庫県立星陵高等学校を卒業した後、最初は「すしひろ」で板前として働きましたが、テレビのオーディション番組を契機に音楽の道を進むこととなります。必見のアーティストであるザ・スパイダースを結成する際、彼は「スリージェット」という3人組のコーラス・ダンスグループの一員として活躍しました。その後、リバプールサウンドの影響を受けながらギターを独学し、ザ・スパイダース時代には井上 孝之としてボーカルとリード・ギターを担当しました。

1970年にザ・スパイダースが解散すると、翌年にはPYGに参加し、「花・太陽・雨」や「自由に歩いて愛して」などの楽曲を提供しました。1972年以降は井上堯之バンドを結成し、沢田研二のバックバンドとしても活動。さらに、テレビドラマの音楽を手がけることでも知られ、名作『太陽にほえろ!』や『傷だらけの天使』の音楽を担当し、映画界でも活躍しました。

音楽プロデューサーとしても多くの作品に関与し、1986年の映画『火宅の人』では、日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞。1997年には井上堯之バンドのアルバムを発表し、2003年にはギター教本を出版しました。

井上はまた俳優としても活躍し、映画『カーテンコール』に出演し、受賞歴も持つ多才なアーティストでした。2009年には音楽活動からの引退を表明し、その理由として音楽活動への不完全感と健康問題を挙げました。

引退後は北海道に転住し、ボランティア活動を行いつつ、音楽の振興にも努めました。2016年には新録音技術を用いて過去の楽曲をリリースし、その後もマイペースでの音楽活動を続けました。

人物

井上は自動車愛好家でもあり、「La Fest a Mille Miglia」などのイベントに参加した経験があります。2005年には自伝を出版しており、その中で彼の音楽人生を振り返っています。また、彼には二人の息子がいて、長男は元新派俳優、次男は元ギタリストで、共にビジネスの道でも成功を収めています。

音楽活動と業績

井上堯之は多くのシングルやアルバムをリリースし、ザ・スパイダース、PYG、井上堯之バンドなど、様々なグループでの活動を展開しました。彼の音楽はロックの枠を超えた多彩なジャンルを取り入れており、特に映画音楽やドラマ音楽の分野でも広く知られています。

死去

2018年5月2日、井上堯之は敗血症により77歳でこの世を去りました。彼の最後の公の場は、一年前の同日であり、同じく音楽界での友人とのお別れの場でした。彼の音楽的遺産は今もなお、多くのファンの心に残り続けています。

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