井上忠行

井上忠行のプロフィール

井上忠行（いのうえ ただゆき）は、1935年10月25日に福岡県で生まれ、2007年12月15日に急逝したプロ野球選手および審判員です。彼はプロ野球の審判部において長年活躍し、多くの知名度ある試合に参加しました。特に、1988年から2001年までセ・リーグの審判として袖番号2を使用していました。

プロ野球選手としてのキャリア

井上は八女工業高校を卒業後、門司鉄道管理局に進み、1956年には都市対抗野球大会に出場しました。1957年には西鉄ライオンズに内野手として入団し、1959年には一軍に昇格しました。彼は主に一塁手として起用され、1962年には中西太の故障により選手兼監督としても活躍しました。この一年で56試合に先発出場しましたが、翌年には他の選手の台頭により出場機会が減少し、1964年をもって現役を引退しました。井上の現役時代の通算成績は584試合に出場し、945打数170安打、打率.180、18本塁打、71打点、3盗塁です。また、1963年には日本シリーズにも出場しています。

審判員としての活躍

引退後、井上はセ・リーグ審判部に入局します。彼は関西審判部で中堅審判員として長年活動し、通算3265試合に出場しました。日本シリーズにも6回、オールスターゲームでも6回出場するという輝かしい記録を持っています。特に彼が球審を務めた試合として、1987年の中日の近藤真市によるノーヒットノーラン達成試合があります。この試合では、井上は「5回辺りから記録達成の予感がした」と後に振り返っています。また、巨人対ヤクルト戦でのルーキー伊藤智仁が奪った16奪三振の試合でも球審を担当し、その試合の結果が後に大きな話題になりました。

審判としてのスタイル

井上は大柄な体型を持ちながら、大食漢であり、ストライクゾーンが広い審判として知られていました。1986年秋からインサイドプロテクターを使用し、1987年の開幕からはその使用が正式に始まりました。彼は試合を公正に進行させるため、審判としてのスキルを高める努力を続けました。

引退後の活躍と死去

1997年に引退した後は、2001年まで審判指導員として若手審判員の育成に尽力しました。また、プロ野球マスターズリーグにおいても審判として活躍しました。さらに、少年野球の指導にも尽力し、大東市では審判部長として指導にあたりました。

しかし、2007年12月15日、沖縄でのマスターズリーグの試合後に急性心筋梗塞を発症し、72歳でその生涯を閉じました。彼の多彩なキャリアと人柄は、多くの人々に記憶されていることでしょう。

もう一度検索