井上満郎

井上 満郎（いのうえ みつお）

井上満郎は1940年12月5日に京都市で生まれた日本の歴史学者であり、主に日本古代史を専門としています。彼は、京都産業大学の名誉教授として、長年にわたり歴史の研究に励んできました。特に、渡来人や渡来文化、そして平安京に関する研究に情熱を注ぎ、文献資料や考古学的証拠を通じて、古代日本の庶民の生活や文化に迫る探求を行っています。

来歴

井上氏は京都市立西京高等学校を経て、1964年に京都大学文学部史学科を卒業しました。その後、1969年に同大学院文学研究科の博士課程を単位取得認定退学という形で終了しました。学業を終えた後、奈良大学で講師を務め、後に助教授、さらには1978年から京都産業大学の助教授となりました。2001年には教授に昇進し、同大学の日本文化研究所所長も兼任しました。

2004年には京都市歴史資料館の館長に就任し、2011年には京都産業大学の名誉教授の称号を授与されました。さらに、2012年からは京都市埋蔵文化財研究所の所長として重要な役割を果たし、2016年からは公益財団法人高麗美術館の館長職も任されています。また、テレビ番組『知られざる物語 京都1200年の旅』では時代考証を担当し、ゲスト出演も行っています。

受賞歴

井上氏の業績は多くの評価を受けており、2009年には京都新聞大賞の文化学術賞を受賞しました。さらに、2014年には長岡京市文化賞、2018年には京都市文化功労者の称号も得ており、これらは彼の貢献を広く認めるものです。

著作

井上満郎は数多くの著書を執筆しており、その中には以下のような重要な作品があります。

• - 『平安京（研究史）』 吉川弘文館 (1978)
• - 『平安時代軍事制度の研究』 吉川弘文館 (1980)
• - 『歴史と日本人 京都躍動する古代』 ミネルヴァ書房 (1981)
• - 『渡来人 日本古代と朝鮮』 リブロポート (1987)
• - 『平安京再現 京都1200年の暮らしと文化』 河出書房新社 (1990)
• - 『古代の日本と渡来人 古代史にみる国際関係』 明石書店 (1999)

彼の著作は、日本の古代史を理解するための重要な資料となっており、特に平安京に関する研究は古代政治や文化を知る上で欠かせないものです。特に『平安京の風景 人物と史跡でたどる千年の宮都』や『桓武天皇と平安京』などは、視覚的な理解を深める助けとなるでしょう。

共著

井上氏はまた、さまざまな共著作品にも携わっています。代表的なものには、『京都の歴史』全10巻（學藝書林）や、その他古代・中世の政治や文化に関わる書籍があります。これらの共著は彼の広範な知識と研究を反映し、多くの人々に日本の歴史の重要性を伝えています。

このように井上満郎氏は、日本古代史の研究において卓越した専門家であり、彼の業績は広く認知されています。彼の研究は、古代日本の文化や社会の理解を深める手助けをしてくれる重要な資源であるに違いありません。

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