リブロポート

株式会社リブロポートの歴史と業績

株式会社リブロポートは、東京都豊島区に本社を置いていた出版社で、1980年4月から1998年8月までの約18年間、セゾングループの一員として活躍していました。もともと全国展開の書店チェーン「リブロ」の関連企業であり、セゾン[[美術館]]などと共にグループ全体が目指す文化的な事業の一環として存在していましたが、経営の変動により縮小へと向かいました。

出版事業の特色

リブロポートは、美術や写真に関する書籍を中心に、多種多様なジャンルの書籍を出版しました。その数は850点を数え、特にシュルレアリスムや20世紀絵画、現代日本画に関する大部な作品集を展開し、多くの著名なアーティストの作品集も手掛けました。著名な写真家としては、ハンス・ベルメールやヘルムート・ニュートンなどが名を連ね、彼らの作品は評価されています。

また、映画関連書籍も多く出版し、国内外の映画文化を広める役割を果たしました。たとえば、『堤康次郎』という経済史の研究評伝では、堤清二が提供した資料をもとに、経済史学者による分析が行われており、異色の出版物として注目を集めました。

セゾングループ内の位置付け

リブロポートは、セゾングループ内では「トレヴィル」という美術書の出版部門も有していました。この部門は1985年から1998年まで活動し、多くの美術書や画集を刊行。リブロポートが販売を担当しており、一部の書籍は古書市場において高値で取引されることもありました。トレヴィルの出版事業は、その後エディシオン・トレヴィルとして引き継がれています。

主な出版シリーズ

リブロポートの手掛けたシリーズ作品の中には、以下のようなものがあります。

• - 冒険の世界史: これは、人文科学に関連する重要な資料として一部はちくま学芸文庫や中公文庫に再刊されました。
• - ピナコテーカ・トレヴィル・シリーズ: モンス・デジデリオらが担当し、全10巻からなる豪華な作品群は、古書市場でも評価が高いです。
• - リブロの絵本: 120点以上が18年間で刊行された子供向けの絵本シリーズで、質の高い絵本を提供していました。
• - シリーズ民間日[[本学者]]: 1986年から1995年にかけて40数点が刊行され、日本の民間研究を紹介しました。
• - 社会科学の冒険: 24点の雑誌や書籍を出版し、幅広い社会科学のテーマに迫ります。
• - Music today: 現代音楽に焦点を当てた季刊誌で、音楽とアートの両面から情報を発信しました。

まとめ

株式会社リブロポートは、文化や芸術に貢献した出版社として、特に美術や写真に関連する多くの書籍を世に送り出しました。1998年の閉鎖後も、その影響は今なお感じられており、多様なジャンルの本に触れることができる幸運な読者たちに、その記憶を残しています。現在もリブロの名を冠した店舗が全国に存在し、当時の出版文化を引き継ぐ形で、今も多くの人々に愛されています。

もう一度検索