井上眞一 (バスケットボール)

井上眞一（いのうえ しんいち、1946年10月5日 - 2024年12月31日）は、愛知県出身のバスケットボール指導者であり、特に桜花学園高等学校バスケットボール部監督としての功績で知られています。

生い立ちと選手時代

井上氏は、名古屋市立振甫中学校、愛知県立中村高等学校を経て早稲田大学に進学。バスケットボール部に入部するも、過酷な指導により1ヶ月足らずで退部。その後、同好会を設立し、バスケットボールへの情熱を繋ぎました。大学卒業後は医療機器メーカーに就職するも、3ヶ月で退職。教員採用試験を経て、1971年9月より名古屋市立中学校の教員となりました。当初は男子バスケットボール部を指導し、全日本教員バスケットボール選手権大会で優勝を経験しています。

中学校教員時代と女子バスケットボール指導への転換

名古屋市立楠中学校を経て、名古屋市立守山中学校に異動。同校の女子バスケットボール部で、1980年より全国中学校体育大会（全中）で8連覇（うち6連覇）を達成。指導者としての才能を開花させました。

桜花学園高校での輝かしい指導実績

1986年、井上氏はプロコーチとして、当時既に全国大会上位の常連であった名古屋短期大学付属高校（現・桜花学園高校）の監督に就任。就任1年目でインターハイ優勝を果たし、以来、インターハイで25回、ウインターカップで24回、国体で22回、合計71回の全国優勝を成し遂げました。その圧倒的な指導力で、桜花学園高校を全国屈指の強豪校へと育て上げました。

国際大会での活躍

1988年から2001年まで、井上氏は全日本ジュニア（現U-18）のヘッドコーチとしても活躍し、国際大会でもチームを指揮しました。育成年代の指導においても、その手腕を発揮しています。

晩年

2022年のインターハイでは体調不良のため、長門明日香アシスタントコーチが監督代行を務めました。同年のウインターカップでもアシスタントコーチとしてチームを支えました。2023年には、長年のバスケットボール界への貢献が認められ、日本バスケットボール殿堂入りを果たしました。2024年12月31日、名古屋市内で逝去。78歳でした。

著書

井上氏は、自身の指導哲学やバスケットボールへの情熱を綴った著書も発表しています。

『勝利にひそむ運と必然』（六法出版社、2001年） - 後に『日本最高峰のバスケ学 桜花流・上達論』（東邦出版、2018年）として加筆修正のうえ再刊。
『桜花学園高のファンダメンタル : 井上眞一コーチのメソッド』（ムック、ベースボール・マガジン社、2014年） - 監修。後に改題し単行本化「バスケットボール桜花学園高のファンダメンタル」（2016年）。

井上眞一は、その卓越した指導力と情熱で、日本の女子バスケットボール界に多大な貢献をした名指導者として、その名を歴史に刻みました。

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