井上義衍

井上義衍の生涯と業績

井上義衍（いのうえ ぎえん）は、日本の曹洞宗の僧侶で、浜松市龍泉寺の住職を務めました。彼は明治27年（1894年）7月27日に広島県豊田郡瀬戸田町の長光寺に次男として生まれました。彼の曹洞宗に対する貢献は甚大であり、多くの弟子たちに影響を与えました。

若き日の修行

義衍は明治40年（1907年）に町内の向上寺で得度し、その後、国泰寺の僧堂に入堂しました。大正4年（1915年）には東京の青松寺に移り、さらに1917年には名古屋の日泰寺に転居します。この時期に、彼は北野元峰、杉本道山、原田祖岳、飯田トウ隠の下で厳しい修行を重ね、特に日泰寺での参禅中に観劇を通じて悟りを得るという独特な経験をしました。

浜松龍泉寺の住職

大正13年（1924年）、義衍は浜松の龍泉寺の住職に就任します。彼のもとには多くの在家修行者が集まり、本格的な修行が行われました。彼は曹洞宗師家会の会長も務め、多くの指導を行いました。彼の教えは専門僧堂の枠を超えて、広く普及していきました。

義衍は後に、飯田欓隠に道を求め、更なる修行に精励します。彼はホオジロの声を聞いたことにより、身心の脱落を経験し、仏道修行が真に実を結びました。この経験は彼の後の活動に大きな影響を及ぼしました。

指導者としての活動

大正14年（1925年）からは、国泰寺僧堂や可睡斎僧堂、日泰寺僧堂、富山の尼僧堂の師家としても指導的な役割を果たします。また、彼は昭和45年（1970年）8月にニューヨーク禅センターで坐禅の指導を行い、昭和46年（1971年）には再びアメリカへ、さらに昭和53年（1978年）にはフランスにも赴き、曹洞宗の教えを広める活動を行いました。

著作と弟子たち

義衍の著作は多岐にわたり、『禅 - もう迷うことはない！ - あなたの疑問を即快答』や『井上義衹老师語録』などが知られています。彼の教えは、後の修行者や弟子たちによって受け継がれています。特に井上哲玄、井上義寛、福田素円などは彼の直接の弟子として、その指導を受けました。

最期

義衍は昭和56年（1981年）3月2日に遷化しました。彼の生涯は、厳しい修行と深い瞑想を通じて、数多くの人々に影響を与えたものであり、彼の教えは現在も多くの修行者によって受け継がれています。彼の業績は、曹洞宗のみならず、幅広い宗教界においても重要な位置を占めており、今なお多くの人々に尊敬されつづけています。

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