井伊直元

井伊直元は、江戸時代後期の近江国彦根藩における世嗣でした。文化6年（1809年）に13代藩主・井伊直中の十一男として生を受け、母は側室のお富です。

文政8年（1825年）に、実子のいなかった長兄で14代藩主の井伊直亮の養子となります。この時、直元は17歳でした。文政8年12月16日（1812年1月23日）には従四位下・侍従に叙任され、玄蕃頭と称しました。その後も順調に昇進を重ね、天保4年（1833年）12月21日（1834年1月30日）には左近衛権少将に任じられています。

しかし、直元は家督を相続することなく、弘化3年（1846年）1月13日に江戸で病没しました。享年38歳という若さでした。

直元の死後、井伊家に残っていた同母弟の直弼が直亮の養嗣子となり、直亮の死後、彦根藩15代藩主となりました。直弼は、幕末の動乱期に大老として活躍し、日本の歴史に大きな影響を与えました。

井伊直元が生きていれば、彼が彦根藩主となり、幕末の歴史は大きく変わっていたかもしれません。彼の早世は、日本の歴史にとって一つのターニングポイントであったと言えるでしょう。

参考文献
吉田常吉『井伊直弼』吉川弘文館〈人物叢書〉、1963年。
母利美和『井伊直弼』吉川弘文館〈幕末維新の個性〉、2006年。

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