井伊直員

井伊直員（いい なおかず）は、越後与板藩の第3代藩主として知られています。彼は直勝系井伊家の7代目にあたります。

直員は、近江彦根藩の家老である木俣守吉（きまたもりよし、木俣守長の次男）の長男として、彦根で生まれました。彼の人生における大きな転機は、享保17年（1732年）10月11日に訪れます。母方の従弟にあたる当時の与板藩主・井伊直陽（いい なおはる）が重病に倒れた際、直員は直陽の養嗣子となることが決定しました。わずか3日後の10月14日、直陽が死去したことに伴い、直員は家督を相続し、与板藩の藩主となりました。この時、彼は名を直寛（なおひろ）と改め、後に直員と再び名を改めました。

しかし、直員の藩主としての期間は長くはありませんでした。藩主就任から3年後の享保20年（1735年）4月5日、江戸において死去しました。彼の死後、家督は養嗣子である井伊直存（いい なおあり）が継承しました。


系譜

実父: 木俣守吉（近江彦根藩家老）
実母: 井伊直興の娘
養父: 井伊直陽（越後与板藩主）
正室: 立花貫長の娘
* 養子: 井伊直存（松平忠雅の四男）


直員は、短い期間ではありましたが、与板藩の藩主としてその名を歴史に刻みました。彼の生涯は、近江彦根藩と越後与板藩、そして井伊家と木俣家という二つの家系の繋がりを示すものと言えるでしょう。


補足

井伊直員は、藩主としての在位期間は短かったものの、その間にどのような政策を行ったのか、具体的な記録は多く残っていません。しかし、彼の存在は、江戸時代の藩主たちの複雑な人間関係や、家督相続の事情を垣間見ることができる貴重な事例と言えるでしょう。また、養子縁組という制度が、当時の大名家においていかに重要な役割を果たしていたのかを示す一例でもあります。

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