井伊直存

井伊直存：越後与板藩を支えた藩主

井伊直存（いい なおあり）は、享保4年（1719年）に伊勢国桑名藩主・松平忠雅の四男として江戸で生を受けました。幼名は伊勢之介、初めは松平清淳と名乗りました。その後、直勝系井伊家の8代目として、越後国与板藩の第4代藩主となります。

藩主就任までの経緯

享保20年（1735年）、先代藩主であった井伊直員が亡くなる3日前に急遽、養嗣子となります。そして同年5月26日、井伊家の家督を継ぎ、藩主の座に就きました。この時、名を井伊直存と改めました。

藩主としての功績

藩主就任後、直存は様々な役職を歴任しました。特に重要なものとして、日光祭礼奉行や朝鮮通信使の接待役が挙げられます。これらの役職を通じて、幕府との関係を円滑に保ち、藩の地位向上に貢献しました。

宝暦6年（1756年）には、江戸藩邸が焼失するという災難に見舞われましたが、直存は冷静に対処し、藩の立て直しに尽力しました。

死去とその後

宝暦10年（1760年）9月20日、直存は42歳で江戸にて亡くなりました。跡は次男の直郡（なおくに）が継ぎました。

井伊直存の系譜

実父：松平忠雅（伊勢国桑名藩主）
実母：永林院（側室、関口氏）
養父：井伊直員（与板藩先代藩主）
正室：見樹院（阿部正喬の養女、阿部正晴の娘）
側室：瑞心院（鈴木氏）、貞松院（古川氏）

直存には多くの子がおり、その中には大老・井伊直弼（いい なおすけ）も含まれています。以下に主な子女を記します。

長男：井伊直弼
次男：井伊直郡（生母：瑞心院）
三男：井伊直朗（生母：貞松院）

その他、直頼、井伊直幸正室、小出英常継室、秋元永朝正室などがいます。秋元永朝正室は井伊直幸の養女です。

井伊直存は、与板藩の藩政に尽力し、次世代へと繋げた人物として評価されています。特に、大老となった井伊直弼の父であったことは、彼の名を知らしめる大きな要因となっています。

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