井手俊郎

井手俊郎について

井手俊郎（いで としろう、1910年4月11日 - 1988年7月3日）は、日本の著名な脚本家であり、映画とテレビドラマの両方で多くの名作を生み出しました。彼の息子はプロ野球選手の井手峻です。また、彼は「権藤利英」や「三木克巳」といった筆名も使用していました。

出身と教育

井手は佐賀県北波多村徳須江に生まれました。彼の家族は政治に関与しており、祖父は初代の北波多村長を務め、父も村議でした。家業は質屋でしたが、その建物は現在も国の登録有形文化財として残っています。教育面では、旧制佐賀県立唐津中学校（現在の佐賀県立唐津東中学校・高等学校）を卒業後、官立東京高等工芸学校（現・千葉大学工学部意匠科）を卒業し、商業美術に従事しました。

映画界入り

彼はパピリオ化粧品やアサヒビール、婦人画報社の宣伝部で活躍した後、1937年に東宝宣伝部に入社し、劇場担当に移ることになります。松山や京城で映画館主として成功を収めた後、兵役を経て、戻るとプロデューサー助手として映画製作に関わりました。1949年には『青い山脈』の制作に参加し、自ら脚本を執筆したことが契機となり、脚本家としての道を歩み始めます。

脚本家としての活躍

東宝の内部争議により退社後、井手は藤本プロダクションに移籍、さらにはフリーの脚本家として活動を開始します。彼の名作は多岐にわたり、代表的な作品には『女の顔』や『東京無宿』、さらには『えり子とともに』などが含まれます。また、彼は松竹の作品にも権藤利英という名前で参加し、シナリオを手掛けました。権藤という名は、打ち合わせを行った喫茶店から名付けられたものです。

人物像

井手は生涯にわたって市川崑と親しい友人関係を築きました。彼は喋りが得意で、映画を愛した洒脱な性格の持ち主でした。息子の峻は、父が机に向かっている姿を見て育ち、自身はシナリオの世界に魅力を感じなかったと回想しています。

受賞歴

井手俊郎は、昭和24年度から41年度、そして57年度までの年間代表シナリオに選出されるなど、その功績は高く評価されています。

主な作品一覧

彼の脚本作品は膨大で、映画だけでなくテレビドラマにも多く関与しました。映画作品には『青い山脈』（1949年等）、『哀愁の夜』（1951年）、テレビドラマには「信子とおばあちゃん」（1969年 - 1970年、NHK連続テレビ小説）や「これが青春だ」（1966年 - 1967年）など多岐にわたります。

著作

井手はまた、シナリオやエッセイも著しました。代表作には『丘は花ざかり: シナリオ』や『妻: シナリオ』などがあります。これらの作品を通じて、日本の映画や演劇界に多大な影響を与えたことでしょう。

結び

井手俊郎の功績は、日本の映画やドラマの発展に寄与したことから、今でも多くの人々に記憶されています。彼の作品は、現在も視聴者に感動を与え続けています。

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