井野修

井野 修

1954年4月24日、群馬県伊勢崎市に生まれる。プロ野球審判員として長きにわたり活躍し、現在は「いせさき教育アンバサダー」も務めている。

伊勢崎市立宮郷小学校、宮郷中学校を経て、群馬県立前橋高等学校に進学。その後、神奈川大学に進むが、在学中の1976年にセントラル・リーグ審判部の一員となる。大学の学びとプロの審判活動を両立させるという、異色の「二刀流」生活を約1年間送った。

プロ審判としてのキャリアは順調に進み、1978年4月2日、神宮球場で行われたヤクルトスワローズ対広島東洋カープの試合で、レフト側外審として一軍公式戦デビューを飾った。そして、プロ入りから13年後の1989年には、35歳という若さで初めて日本シリーズのグラウンドに立つなど、若い頃から主要な試合を任されるようになった。

昇進も早く、1997年には43歳で副部長に就任。2003年には、前任の小林毅二氏の後を継ぎ、審判部のトップである部長を務めることになった。セ・リーグとパ・リーグの審判部が完全に統合された2011年以降は、新しい組織体制のもとで審判長としてプロ野球の審判を統括した。さらに2014年1月からは、日本野球機構（NPB）の参与に加えて、審判技術委員長および野球規則委員という重要なポストを兼務するなど、審判組織の中枢を担った。

現役時代の袖番号は「1」であり、これは長年第一線で活躍した実績と組織内での重責を示している。2009年シーズン終了時点での公式戦通算出場試合数は2902試合を記録。この中には、セ・リーグ戦2754試合、交流戦84試合、日本シリーズ50試合、オールスター14試合が含まれる。オールスターゲームには計6回出場（1986年、1989年、1992年、1994年、1996年、1998年）し、特に1989年、1992年、1996年はいずれも第1戦で球審という大役を担った。

日本シリーズには通算12回出場（1989年、1991年、1992年、1994年から2001年まで8年連続、そして2005年）。数多くの激戦でジャッジを下し、特に球審としては以下の試合でマスクをかぶっている。

1989年：第4戦
1992年：第5戦
1994年：第3戦
1996年：第1戦
1997年：第2戦
1998年：第5戦
1999年：第2戦
2000年：第5戦

21世紀に入ってからは、2001年と2005年の日本シリーズに出場しているが、この2シリーズでは球審を務める機会はなかった。

現役引退後も野球界への貢献を続けており、2023年2月には、独立リーグである四国アイランドリーグplusとベースボール・チャレンジ・リーグ（ルートインBCリーグ）の両リーグ共通の審判アドバイザーに、谷博氏とともに就任することが発表された。後進の育成にも力を注いでいる。

記録

初出場：1978年4月2日、ヤクルト‐広島2回戦（神宮）、右翼外審
通算出場試合数：2902試合（2009年シーズン終了時点）
オールスター出場：6回
日本シリーズ出場：12回

関連項目

群馬県出身の人物一覧
神奈川大学の人物一覧
* プロ野球審判員一覧

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