亜紀書房

株式会社亜紀書房 (Akishobo Inc.)

株式会社亜紀書房は、東京都千代田区神田神保町に本社を構える日本の出版社です。1967年に創業され、以来さまざまなジャンルの書籍を発行してきました。亜紀書房の名前には、「これから来る亜細亜の世紀をリードする」という意味が込められています。

沿革

1969年には、学生運動の激化を背景に『砦の上にわれらの世界を: ドキュメント東大闘争』を出版し、特に若者の間で高い人気を誇りました。1971年に刊行された『公害原論』は、著者宇井純による新潟水俣病の告発をきっかけに環境学の基礎を築く重要な作品となりました。

その後も、亜紀書房は社会問題に目を向けた作品を次々に発表。1977年には児童養護施設に住む子どもたちの作文を集めた『作文集 泣くものか: 子どもの人権10年の証言』を刊行し、翌年には第32回毎日出版文化賞を受賞。1984年の『凍土の共和国: 北朝鮮幻滅紀行』では、著者のキム・ウォンヂョが北朝鮮の実情を赤裸々に綴り、幅広い反響を呼びました。

1991年には、東京大学で行われた公害自主講座の講演内容をまとめた『公害自主講座15年』を発行。このように、亜紀書房は時代のニーズに応じた多様なテーマを扱い続けています。

2001年には「アメリカ暮らし」に関するシリーズを始め、2005年に刊行した『失礼ながら、その売り方ではモノは売れません』は、13万部のベストセラーに成長しました。また、2007年には翻訳ノンフィクション・シリーズをスタートし、多数の重要な作品を翻訳・出版しています。

ZERO事業部の設立

2011年には新たにZERO事業部を設立し、従来の出版の枠組みを超えたデジタルコンテンツの展開を開始しました。この部門は、サイエンスエレメンツや談志市場というデジタルコンテンツを提供し、多様なメディアでの展開を目指してきました。2013年に分社して株式会社dZEROが設立され、さらなるコンテンツの配信を行っています。

主な刊行作品

亜紀書房からは、数多くの重要な書籍が発行されています。例えば、『公害原論』や『砦の上にわれらの世界を: ドキュメント東大闘争』、さらには『凍土の共和国: 北朝鮮幻滅紀行』など、多岐にわたるテーマを扱っています。特に、翻訳ノンフィクション・シリーズでは、国際的な視点を持った作品が多く寄稿されています。

まとめ

亜紀書房は、創業以来クオリティの高い書籍を生み出し続け、社会のさまざまな問題に対して鋭い視点を提供してきた出版社です。時代の変化に対応しながら、新しいメディアでも活動を展開するその姿勢は、今後も多くの読者に影響を与え続けることでしょう。

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