交通道徳協会

公益財団法人交通道徳協会について

公益財団法人交通道徳協会は、鉄道を中心に交通道徳とマナーの向上を目的とした啓発活動を行う公益財団法人です。JR各社と連携して鉄道少年団を運営し、青少年の健全な育成にも力を入れています。

概要と歴史

1946年（昭和21年）6月5日、戦後の混乱期に設立されました。終戦直後の交通機関は輸送能力が不足し、人々の交通道徳は著しく低下していました。この状況を憂慮した関谷龍吉氏が、当時の交通協力会理事長であった三輪眞吉氏に相談し、日本国有鉄道（国鉄）の幹部や職員に協力を働きかけたことが設立のきっかけです。また、当時の運輸省や文部省からも、日本人の交通道徳を高揚させるために協会設立の声が上がりました。

1948年（昭和23年）5月4日には運輸大臣から財団法人としての認可を受け、「財団法人交通道徳協会」として法人登録されました。設立当初は、小学校での巡回公演会や交通展覧会などを開催し、青少年の交通道徳の向上に努めました。1953年（昭和28年）には、全国の小学生を集めた「公徳少年キャンプ」を開催し、これが後の「公徳キャンプ全国大会」へと発展しました。また、1960年（昭和35年）に「鉄道少年の会」が発足し、1962年（昭和37年）に「鉄道少年団」と改称され、現在もJR各社とともに運営を続けています。

1973年（昭和48年）からは、国鉄と日本専売公社（現：日本たばこ産業）の協賛のもと、「旅のニュー・マナー運動」を開始しました。この運動は、JRやJTに変わった現在も継続されています。2011年（平成23年）9月1日には、公益財団法人へと移行し、「公益財団法人交通道徳協会」となりました。

事業目的

協会の主な目的は以下の通りです。

交通道徳の高揚
駅構内や列車内でのマナー啓発活動を通じて、乗客のマナー向上と公徳心の高揚を図ります。ポスターや啓発ボードを通じて、乗車マナーや喫煙マナーなどを呼びかけます。
鉄道少年団の育成
鉄道を愛する青少年を育成するため、全国各地に鉄道少年団の活動拠点を設け、清掃活動や啓発活動、集団生活などの体験を通じて、青少年の健全な育成を支援します。

事業内容

協会は、上記の目的を達成するために、以下の事業を行っています。

マナーキャンペーン
設立当初から、交通道徳の向上を目的としたキャンペーンを実施しています。「旅のニュー・マナー運動」では、ポイ捨て、喫煙マナー、座席譲りなどの注意喚起ポスターを制作し、駅などに掲示しています。近年では、音楽プレーヤーの音漏れや歩きスマホなど、現代社会におけるマナー問題にも積極的に取り組んでいます。
広報誌「明るい旅」の発行
全国の鉄道少年団の紹介や活動状況、鉄道会社の取り組み、社会貢献活動などを掲載した広報誌を年4回発行しています。鉄道沿線の歴史や文化も紹介しており、会員や鉄道少年団員、JR各社、学校などに配布されています。前身は1953年（昭和28年）に発行された機関誌「交通道徳」で、2015年（平成27年）秋号からはフルカラーの広報誌として発行されています。
鉄道少年団の運営
全国各地の鉄道少年団の活動を支援し、青少年の育成に貢献しています。

関連事項

鉄道少年団
公益財団法人

外部リンク

公益財団法人交通道徳協会

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