京の大仏

京の大仏（方広寺大仏）

京の大仏（きょうのだいぶつ）は、かつて京都市東山区の方広寺に存在した毘盧遮那仏像です。威容を誇ったこの大仏は、初代から4代目まで造立されましたが、火災などでその姿を失いました。ここでは各大仏と大仏殿の history を詳しく紹介します。

初代大仏

初代大仏は、豊臣秀吉により文禄5年（1595年）に造立されましたが、その後破却されました。豊臣秀吉は、焼損した東大寺大仏に代わる新たな大仏の造立を発願し、これが京の大仏の誕生につながりました。彼は巨大な大仏を建設することを決意し、すぐに工事を始めます。大仏の立ち上がった場合の身の丈は8丈（約24m）とされ、実寸は4丈（約12m）程度です。とはいえ、これには混乱が生じ、後に多くの逸話が語られることになります。

2代目大仏と再建

慶長17年（1612年）、2代目大仏が完成しますが、寛文2年（1662年）の地震で損壊しました。2代目の大仏は、秀吉の遺志を受けて造立したものであり、その後も再建が繰り返されました。3代目大仏は再び寛文7年（1667年）に造立されましたが、残念ながら、寛政10年（1798年）に落雷により焼失してしまいました。

4代目大仏

1843年には、尾張国の商人たちによって4代目大仏が造立されましたが、こちらは上半身のみの造形でした。その姿は、往時の大仏に比べて異様だという印象を与えました。4代目大仏は当時の人々に新たな参拝の場を提供しましたが、1973年には失火により焼失します。

大仏殿の変遷

大仏殿もまた何度も建替え・修復されており、初代と2代目の大仏殿は日本最大規模の木造建築物として知られています。特に大仏殿は、秀吉時代の技術を駆使して造られており、天井板が存在せず、屋根板現しの構造だったと文献記録に残されています。大仏殿は、発掘調査により、その基壇や石座がその後も存続していたことが確認されています。

消失の瞬間

最も悲劇的な瞬間は、1973年に4代目大仏殿が失火により焼失したときです。この時の火災は、直近の歴史でも大きな衝撃を与えました。方広寺の人々はこの焼失を悲しみ、あらためて京の大仏の存在意義を思い知らされたのです。

現在の方広寺

方広寺には現在、往時の大仏の姿を模した盧舎那仏坐像が安置されています。衰退した歴史の中で、大仏・大仏殿の存在は次第に薄れていきましたが、数々の記憶や文化が現代の京都に息づいています。歴史や思い出は形を変えて受け継がれているのです。

京都の大仏は、江戸時代に三大仏の一つに数えられ、その存在は今なお多くの人々に愛されています。大仏の回顧や再建の歴史は、京都の文化として今後も広く語り継がれることでしょう。

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