京セラケミカル

京セラケミカル株式会社：その歴史と事業内容

京セラケミカル株式会社は、高度な技術力と多様な製品群を誇っていた化学メーカーでした。2016年4月1日、親会社である京セラ株式会社への吸収合併により歴史に幕を閉じましたが、その存在感は電子部品業界をはじめとする様々な分野で記憶されています。

設立から吸収合併まで：変遷と成長

1974年、東京芝浦電気株式会社（現在の東芝株式会社）の合成樹脂・絶縁材料事業が分社化され、東芝ケミカル株式会社として誕生しました。東京都港区に本社を置き、スタートを切ります。

その後、1988年には東京証券取引所市場第二部に上場し、企業規模を拡大。事業の多角化にも取り組んでおり、2000年にはRFID事業を株式会社マースエンジニアリングへ売却しています。

2002年、大きな転換期を迎えます。まず、本社を埼玉県川口市に移転。そして同年8月、京セラ株式会社の完全子会社となり、社名を京セラケミカル株式会社に変更しました。

その後、2015年には本社を東京都品川区に移転。そして2016年4月、京セラへの吸収合併により、その歴史に幕を閉じました。

製品群とグローバルな生産拠点

京セラケミカルは、多様な化学製品を製造・販売していました。半導体関連材料、樹脂材料、電子部品材料など、幅広い分野をカバーしていたのが特徴です。

生産拠点は日本国内に3ヶ所、海外にも3ヶ所を展開していました。国内拠点は、福島県郡山市の郡山工場（エポキシ半導体用封止材料）、栃木県真岡市の真岡工場（不飽和ポリエステル樹脂成形材料、フェノール樹脂成形材料など）、神奈川県川崎市の川崎工場（注形レジン、絶縁ワニス、銀ペースト、ポリイミド）です。これらの工場では、高度な技術と設備を用いて、高品質な製品が製造されていました。

海外拠点は、中華人民共和国無錫市の京瓷化学（無錫）有限公司（絶縁ワニス、注形レジン）、香港のKYOCERA CHEMICAL 香港社（マグネシウム鋳造品）、シンガポールのKYOCERA CHEMICAL SINGAPORE（半導体封止材料）です。グローバルなネットワークを構築し、世界中の顧客に製品を提供していました。

まとめ

京セラケミカル株式会社は、その存在期間こそ短かったものの、高度な技術と多様な製品群を誇る化学メーカーでした。日本の化学業界、ひいては電子部品業界の発展に貢献した企業として、その歴史は記憶に留めておくべきでしょう。吸収合併後も、その技術やノウハウは京セラ株式会社に引き継がれ、新たな形で活かされていると考えられます。

もう一度検索