京城法学専門学校

京城法学専門学校の歴史と役割

京城法学専門学校（けいじょうほうがくせんもんがっこう）は、日本統治時代の朝鮮に設立された専門学校であり、後に京城帝国大学法文学部に統合され、最終的にはソウル大学校法学大学となりました。この学校は、朝鮮における法学教育の重要な役割を果たし、数多くの法律専門家を輩出したことで知られています。

沿革の背景

京城法学専門学校の歴史は、1895年にさかのぼります。この年、大韓帝国政府が裁判所制度を改革し、行政と司法を分離するために法官養成所を設立しました。法官養成所は、1903年には光化門前に移転し、1909年に法学校へと改編されました。その後、京城専修学校へ名称が変更され、さらには1922年に官立京成法学専門学校となりました。

この学校のユニークな点は、教室の配置が長い回廊につながり、各区域が明確に区別されていることです。この配置は当時の近代的な官学校のスタイルとは異なり、むしろ韓屋に似た形状を持っていました。京城法学専門学校は、法律に対して高等教育を提供すると同時に、実務的な司法事務も教えることを目的としていました。

学校の特性と特典

京城法専は、3年制の授業で中堅法律職業人を育成し、定員は60名ほどでした。この学校は、朝鮮帝国期の背景の中で設立されたため、他の旧制官立専門学校に比べて朝鮮人の割合が非常に高く、特に多くの学生が在籍しました。また、予科を含めて6年間必要な京城帝国大学と異なり、京城法専の3年間という短い期間は多くの学生にとって魅力的でした。

京城法専は、主に下級行政官、裁判所書記、通訳などの法律専門職を育成することに重きを置いていました。学校の卒業生は多くの朝鮮人法曹を輩出し、朝鮮弁護士試験や判事検事登用試験に合格する者も多く見られました。1923年以降、京城法専の卒業生からは判事や検事として任官される者もおり、この学校の存在が法律界に与えた影響は大きいものでした。

卒業生の活躍とその後

特に、京城法専は京城帝国大学法文学部の法学科卒業生が出現するまでは、朝鮮人法曹界においてリーダーシップを持っていました。京城帝国大学が毎年送り出す法学士は限られていた一方で、京城法専は年間40人から60人の卒業生を輩出し、各地方裁判所で書記や通訳生としての雇用に優遇されていました。このため、京城法専出身者は迅速に昇進することができました。

学校の成長に伴い、学生たちの要求に応じて新しい校舎が建設され、1938年には清涼里中学校の敷地に移転しました。この新しい校舎は当時の朝鮮の高等教育機関の中で最も現代的な施設を提供し、図書館や体育館などが完備されました。

1944年には京城高等商業学校との統合が行われ、「京城経済専門学校」として一時的に統廃合されますが、終戦後には再び分離し、京城法学専門学校とソウル法廷学校としてそれぞれ活動を再開しました。

京城法専の卒業生は、解放後の南北朝鮮においても重要な役割を果たしました。大韓民国では多くの卒業生が判事や検事として活躍し、朝鮮民主主義人民共和国では憲法制定に関与する著名な法曹も登場しました。このように、京城法専の存在は朝鮮の法学教育において欠かせないものとなり、その伝統と影響力は今なお脈々と引き継がれています。

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