京城帝国大学

京城帝国大学

京城帝国大学（けいじょうていこくだいがく）は、日本によって設立された朝鮮唯一の旧制帝国大学であり、1924年に設立されました。略称は城大（じょうだい）で、朝鮮語では「성대」とも呼ばれています。この大学は、京畿道京城府に本部を置き、当時の日本の教育制度の中で重要な役割を果たしました。

歴史的背景

京城帝国大学の設立は、李氏朝鮮時代にさかのぼります。1895年の甲午改革を契機に近代教育制度が始まり、1905年以降、朝鮮は日本の保護国となる中で教育制度が段階的に改編されました。そんな中、1910年の韓国併合を経て、朝鮮総督府が推進する日本語教育を強制する同化教育が進められました。これに対抗し、民族系団体は私立学校を通じた教育運動を展開。こうした抵抗の中、政府は公立の大学設立を急ぐことになりました。

京都帝国大学の設立

1924年、朝鮮総督府は京城帝国大学を設立しました。初めは予科が設置され、その後1926年には法文学部と医学部が開設され、大学教育の体制が整備されていきました。所在地は鍾路区大学路に置かれ、当時の教育制度では日本語による専門教育が施されました。

この大学では、法文学部に多様な講座が設置され、経済学や政治学、哲学など広範な分野での教育が行われました。医学部では解剖学や生理学、微生物学などが講じられました。戦間期に入り、朝鮮は工業化が進む中で、高度な技術を持つ人材を育成するための教育が求められ、1941年には理工学部が設けられました。

学生と教員

この時期、京城帝国大学の教授陣は多くが東京帝国大学出身で、大学生は日本語での教育を受けることが求められました。しかし、戦争の影響下で多くの日本人学生が在籍し、朝鮮人学生の割合は少数に過ぎませんでした。1937年頃には、朝鮮人学生が増えつつあったものの、日本人学生が依然として多くを占めていました。

戦後の変遷

1945年の終戦に伴い、京城帝国大学は連合軍によって閉鎖されました。多くの日本人教員や学生が日本に帰国したため、大学の閉鎖は避けられないものとなりました。この閉鎖後は、現在のソウル大学校が設立され、京城帝国大学の歴史は新たな形で受け継がれていきますが、直接の継承とは言い難い状況でした。

結論

京城帝国大学の設立とその後の歴史は、当時の日本の教育制度や、朝鮮社会における教育の変化に大きな影響を与えました。帝国大学としての機能を持ちながら、朝鮮民族の抵抗運動とも関わり合いを持ち、その存在は後の韓国の教育体系においても重要な位置を占めることとなりました。このように、京城帝国大学の歴史は、20世紀の朝鮮半島における教育と文化の変遷を色濃く反映しています。

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