京大アメリカンフットボール部誕生秘話 君に涙は似合わない

『京大アメリカンフットボール部誕生秘話 君に涙は似合わない』は、朝日放送（ABCテレビ）とテレパックが制作し、1988年3月29日にテレビ朝日系列で放映されたスペシャルドラマです。このドラマは、京都大学アメリカンフットボール部、通称「ギャングスターズ」の創設期とその後の活躍を描いた感動的な物語です。

物語の舞台は第二次世界大戦終結直後の日本。混乱と希望が入り混じる時代、旧制第三高等学校（現在の京都大学）に、海軍から復員した澤田久雄という青年がいました。澤田は荒廃からの復興には、スポーツの力が必要だと考え、アメリカンフットボールに着目します。そして、日本の国公立大学としては初の試みとなる、アメリカンフットボール部創設に奔走します。

澤田は、部員集め、練習場所の確保、指導者の招聘など、数々の困難に直面します。資金も物資も不足する中、澤田は情熱と行動力、そして何よりもアメリカンフットボールへの深い愛情を武器に、周囲の人々を説得し、協力を得ていきます。時には、周囲の無理解や偏見に苦しみながらも、決して諦めることなく、理想のチームを作り上げていくのです。

ドラマでは、澤田の熱意に感化され、集まってくる個性豊かな部員たちの姿も描かれています。学業との両立に苦しみながらも、アメリカンフットボールに青春をかける彼らの姿は、観る者の胸を熱くします。また、アメリカ人監督ピンカーマンとの出会いも、チームにとって大きな転機となります。アメリカンフットボールの本場であるアメリカの指導法を取り入れ、チームは着実に力をつけていきます。

そして、ドラマのクライマックスは、ギャングスターズが強豪チームへと成長し、勝利を重ねていく姿です。特に、東海辰弥を擁したギャングスターズが、「ライスボウル」で2連覇を達成するシーンは、感動的です。この勝利は、澤田の夢が実現した瞬間であり、チーム全体の努力が報われた瞬間でもありました。

このドラマは、単なるスポーツドラマではありません。戦後の日本の復興と、若者たちの情熱、そして夢を追いかけることの大切さを描いた、感動的な人間ドラマです。澤田久雄を演じる中村雅俊をはじめ、檀ふみ、山下真司、三浦浩一、新田恵利など、豪華キャストが物語を彩ります。脚本は佐々木守、音楽は津島利章、演出は瀬川昌治が担当しました。制作はABCとテレパックが共同で行いました。

『京大アメリカンフットボール部誕生秘話 君に涙は似合わない』は、アメリカンフットボールというスポーツを通じて、希望と勇気を与えてくれる、忘れられない名作ドラマです。

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