京大パルチザン

京大パルチザンの概要

京大パルチザン（きょうだいパルチザン）は、日本の新左翼の一派で、特に京都大学における非セクト的なラジカル運動を指す名称です。この運動は、1960年代末に活動を活発化させたもので、主に滝田修（本名：竹本信弘）という経済学部助手の革命理論に基づいています。滝田は、1968年から1969年にかけて発生した京大紛争の中で、従来の党派に依存せず、ゲリラ的な闘争を展開する「パルチザン」を組織する重要性を唱えました。

この運動の背景には、当時の大学内の政治状況がありました。東大や京大での闘争は、共産主義系の各派が主導権争いを繰り広げ、最終的には統一した運動を欠く結果となりました。滝田はこの失敗を深く考察し、全共闘の解体というアイデアを提唱し、より独立した形での運動の必要性を強調しました。彼の理論は、特定の党派に依存しない「ノンセクト・ラジカル」としての活動を促進するものでありました。

京大パルチザンの影響力

京大パルチザンは、その後の日本の新左翼運動にも大きな影響を及ぼしました。例えば、テルアビブ空港での乱射事件を引き起こした奥平剛士は、京大パルチザンの活動家であったとされています。また、滝田の理論に影響を受けたグループの中には、京大生ではないものの、朝霞自衛官殺害事件を起こした「赤衛軍グループ」のような存在もありました。これらの事件は、京大パルチザンが持つ影響力の証左であり、当時の革命志向の活動家たちが持つ理論的背景を明示しています。

さらに、他の新左翼党派も京大パルチザンの影響を受けて活動しており、特に京大政経研グループのように各々異なる行動スタイルを持つ集団が生まれています。これにより、発展的に新左翼運動が多様化し、時には凄惨な事件を引き起こす要因ともなりました。

結論

京大パルチザンは、日本の学生運動における一つの重要な潮流を形成しました。その活動は、既存の党派からの独立性、ゲリラ戦術の導入、理論に基づく行動指針など、当時の社会状況に対する反応として浮上したものと言えるでしょう。また、それは京大のみならず、他の大学や団体にも影響を与え、波及的に日本の新左翼運動を形作る要素となりました。このように、京大パルチザンは単なる学生たちの運動にとどまらず、より広範な社会的・政治的変革を求める動きの中での重要な存在であると評価されます。さらに、滝田理論に基づく活動は、今でも一部の過激派や新左翼グループによって受け継がれており、当時の理念が現代にも影響を及ぼす要素を持っていることは注目に値します。

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