日本の学生運動

日本の学生運動の歴史

日本における学生運動は、戦前から存在し、多くの社会的変革の中で展開されてきましたが、戦後すぐに本格的な活動を再開したのは特に注目すべきです。この歴史は、時代とともに変遷し、様々な要素が絡み合っています。

1. 学生運動の始まりと発展

学生運動は、1910年代から始まりましたが、戦後の1948年に全日本学生自治会総連合（全学連）が設立され、本格的な運動が再開されました。全学連は、大学の民主化を求め、さまざまな政治的問題に取り組みました。

1949年には、授業料の値上げに対する全国的なストライキが行われ、約150校、10万人が参加しました。この動きは、後の全学連闘争の基盤となり、1960年代に入ると安保闘争や反戦運動が盛んになり、学生たちは大規模なデモを実施しました。

2. 1960年代と全共闘運動の台頭

安保闘争は、特に1960年の日米安全保障条約改定に反対する運動であり、学生たちの政治意識が高まった象徴的な出来事です。この闘争の中で、学生たちは机上での討論を越え、実際に街頭に出て行動を起こしました。さらに、1968年から1970年にかけて全共闘運動が展開され、各大学でバリケード封鎖やデモが繰り広げられました。

全共闘は従来の特定の政治党派に属さない学生を数多く集め、様々な学部や研究科を越えて運動を行いました。このような運動は全国の大学に波及し、若い世代の力強さを示すこととなりました。

3. 衰退と変化の時代

しかし、1970年代後半から1980年代にかけて、学生運動は次第に下火となりました。一因として、内ゲバや過激な対応が増加し、市民からの支持が失われたことが挙げられます。さらに、大学の政治も安定し、学生たちが関心を持たなくなったことが影響しています。

1990年代以降には、新自由主義的な方針による大学当局のコストカットが進み、学生の活動拠点が次々と閉鎖されてしまったことも大きな要素です。これにより、従来の形での学生運動は難しくなっていきました。

4. 現在の学生運動

2020年代に入っても、学生たちは新たな形の運動を模索しています。例えば、反入管法やジェンダー問題、学費の高騰に反対する運動が活発化し、一部の大学では若い世代が声を上げる場面が見られています。また、SNSを使った情報発信や連帯の広がりも新たな特徴として現れています。

学生運動は、時代によって様々な変化を遂げながら、未だに社会的な影響を及ぼしています。これまでの歴史を振り返ることは、今後の社会運動にとっても重要な意味を持つでしょう。運動の成果や教訓を生かし、学生たちは今後も自らの権利や理念を追求していくことが期待されています。

もう一度検索