京急ニュータウン

京急ニュータウン（けいきゅうニュータウン）は、京浜急行電鉄株式会社が開発を手がけた、日本における大規模な計画居住区域の総称です。主に神奈川県内の京急線沿線地域に多く所在しており、同社の沿線開発事業において重要な役割を担ってきました。特定のエリアを示す名称として用いられる場合と、京急グループが開発した複数のニュータウン、分譲地プロジェクト全体を指す広範な名称として用いられる場合があります。

各地の京急ニュータウン

京急ニュータウンと称される代表的な開発地は、神奈川県内の三浦市、横須賀市、横浜市などに点在しています。

三浦市エリア

三浦市においては、初声町下宮田に大規模な住宅地が開発されました。「京急ニュータウン三浦海岸」や「京浜急行電鉄三浦海岸分譲地・分譲住宅」といった名称で知られるこれらの開発は、1992年頃から始まりました。この地域は、海に近い自然豊かな環境が特徴です。

横須賀市エリア

横須賀市では、複数のエリアで京急ニュータウンの開発が行われています。
観音崎地区には「京急ニュータウン観音崎」として開発された区域があります。
また、野比地区においては、1994年に分譲が開始された「京急ニュータウンマリンヒル横須賀野比（京浜急行電鉄横須賀野比分譲地・分譲住宅）」や、1997年に開発された「京急ニュータウン野比海岸（京浜急行電鉄野比海岸分譲地・分譲住宅）」などがあります。横須賀市の開発地も、海や自然へのアクセスが良い立地が多いのが特徴です。

横浜市エリア

横浜市内でも、複数の区にわたって京急ニュータウンと称される開発地が見られます。

金沢区

横浜市金沢区では、京急本線沿線を中心に開発が進められました。能見台地区では、1983年から「京急ニュータウン金沢能見台（京浜急行電鉄金沢能見台分譲地・分譲住宅）」として大規模な宅地開発が行われました。また、富岡西地区においても、1990年代以降に「京急ニュータウン富岡（富岡西）」として新たな居住区域が建設されました。

その他

横浜市内のその他の地域でも、京急グループによるニュータウン開発が行われています。
戸塚区南舞岡と港南区日限山にまたがるエリアでは、「京急ニュータウン港南」として第1期から第3期にわたる開発が行われました。さらに、この地域では2007年に「京急オークルタウン南舞岡分譲住宅」として新たな分譲が行われています。このニュータウンは、広大な舞岡公園に隣接しており、緑豊かな住環境が魅力とされています。

京急グループの住宅開発事業の展開

京浜急行電鉄は、日本の大手私鉄の中でも特に早い段階から沿線開発や住宅地の分譲に注力してきた企業の一つです。戦前より鉄道事業と並行して宅地開発事業を展開し、沿線の居住人口増加に貢献してきました。

現在、京急グループの不動産事業は、グループ会社の京急不動産株式会社が中心となって担っています。沿線における大規模な住宅・都市開発プロジェクトは「京急ニューシティ」ブランドとして展開されており、横須賀市で開発された「京急ニューシティ湘南大津の丘分譲地・分譲住宅」（2002年）や「京急ニューシティ湘南佐島なぎさの丘分譲地・分譲住宅」（2007年）などがその例です。

また、京急線沿線に限らず、首都圏やその他の地域においても戸建住宅街シリーズ「プライムアベニュー」を展開するなど、事業範囲を広げています。

「京急ニュータウン」の名称を用いないものの、京急グループが開発した分譲住宅地や宅地造成プロジェクトは多数存在します。主なものとして以下のような例が挙げられます。

京急富岡桜が丘分譲住宅（横浜市金沢区富岡西、1986年）
パームヒルズ京急富岡（横浜市磯子区杉田）
葉山しおさいの丘分譲住宅（神奈川県葉山町、1997年）
京急葉山分譲宅地（神奈川県三浦郡葉山町下山口字白石）
京急湘南山手分譲地・分譲住宅（神奈川県横須賀市、2000年）
京急横浜矢向分譲住宅（横浜市鶴見区、2005年）
京急ベイビレジ（神奈川県三浦市三崎町諸磯、油壺）
ファーモ横浜三ツ境（横浜市瀬谷区三ツ境）
京急市川菅野分譲地・分譲住宅（千葉県市川市菅野、1999年〜2000年）
京急蔵王エコーランド（宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉） - 京急開発株式会社による開発

これらの多様なプロジェクトは、京急グループが鉄道事業を通じて培った地域との連携や、長年の不動産開発で培ったノウハウを生かして展開されています。

京急ニュータウン