京成バス千葉イースト銚子営業所

京成バス千葉イースト銚子営業所は、千葉県銚子市松本町に所在するバス営業所です。かつては千葉交通の営業所であり、その歴史を引き継いでいます。本項目では、関連する旭車庫についても併せて記述します。

沿革

この営業所が管轄する東総地区では、かつての路線バスの需要が高かった時代には、総武本線や成田線の主要駅を中心に広範な路線網を築いていました。しかし、マイカーの普及（モータリゼーション）や地域の過疎化といった社会情勢の変化に伴い、1991年頃からは銚子と小見川、旭と笹川を結ぶような長距離路線を中心に、多くの一般路線が廃止されることとなりました。

一方で、同じ1991年には京成バスとの共同運行で銚子から東京への高速バス路線が開設されました。この路線は利用者に好評を博し、順次増便を重ねた結果、現在では銚子と東京を結ぶ3系統、1日44往復もの運行となり、当営業所の主要な事業へと成長しました。

現在運行されている一般路線は、銚子、旭、香取の3市内に限定されています。特に銚子市内において運行頻度の高い一部の路線は、2004年 1月に子会社である千葉交タクシー（現在の京成タクシー成田）に移管され、「ちばこうバス」として運行されています。ただし、営業所が同じ場所にあり、回数券も共通で利用できるため、利用者にとっては実質的な違いはほとんどありませんでした。なお、この回数券は2025年3月31日をもって新規発売を終了しますが、既購入分については引き続き使用が可能です。運賃改定後に使用する場合は、不足額を現金で支払う必要があります。

長年にわたり千葉交通の営業所でしたが、2025年 4月1日に実施された京成グループ全体のバス事業再編により、京成バス千葉イーストの営業所となりました。京成バス千葉イーストは、千葉交通を含む7社のバス事業者が統合して設立された新しい体制の会社です。営業所名については、旧千葉交通時代から「銚子営業所」として変更されていません。

現行路線

現在、銚子営業所および旭車庫が担当する主な一般路線は以下の通りです。

銚子地区

旭銚子線: 成田鉄道時代に起源を持つ、地域で最も歴史のある路線の一つです。かつては八日市場まで運行していましたが、現在は一部区間がコミュニティバス等に引き継がれています。銚子駅と旭駅を結ぶ系統や、その区間運転などが運行されています。
イオン線（イオンシャトルバス）: 2010年3月、イオンモール銚子の開業に合わせて運行を開始した路線です。銚子地区では比較的新しい路線であり、陣屋町から銚子駅を経由してイオンモール銚子へ向かいます。途中の停留所では乗降制限（クローズドドアシステム）があり、イオン行きの便はイオン到着前、イオン発の便はイオン出発後の途中停留所でのみ乗降が可能です。利用状況によっては途中で運行を打ち切る場合があります。
豊里ニュータウン線: かつて小見川駅までを結んでいた「小銚線」の銚子市内区間を引き継いだ路線です。現在は銚子駅と豊里ニュータウンの間を1日数往復運行しています。
名洗・千葉科学大学線: 以前は名洗地区の小規模な集落が終点で本数も僅かでしたが、2004年の千葉科学大学開学に伴い路線が大学まで延伸され、運行本数も大幅に増加しました。現在では多くの便が運行されており、車両も大型バスが投入されています。
長崎線: 銚子駅から新生、銚子観音、市立病院等を経由し、長崎地区の国民宿舎（現在は閉鎖され、折り返し場のみ使用）まで運行する路線です。小型の日野ポンチョが主に運用されており、1日数往復の運行です。

旭・香取地区

府馬線: 旭中央病院と小見川駅の間を結ぶ、東総地区を南北に縦断する唯一の一般路線です。かつては成田営業所小見川車庫との共管路線でした。現在は平日のみ、1日数往復の運行となっています。
旭市コミュニティバス: 旭市より運行を受託しているコミュニティバスの一部を担当しています。

高速バス

東京 - 銚子線: 銚子と東京駅を結ぶ基幹高速バス路線です。旭を経由する便は京成バスとの共同運行となっています。

廃止路線

過去に運行されていた主な路線には以下のようなものがあります（ちばこうバス移管路線は除く）。

銚子地区

波崎線
三宅線
小銚線（一部区間は現行の豊里ニュータウン線として存続）
豊里ニュータウン線・西高校線（旧小銚線派生系統）

旭・香取地区

椎名内浜循環線
笹川線
橘線
塙線
大倉線・神里線: 成田営業所小見川車庫から移管された路線でしたが、2024年10月1日をもって廃止されました。佐原駅方面から香取地区を経由し、小見川駅方面を結んでいました。

高速バス

銚子 - 千葉・幕張線: 1999年から2019年まで運行されていました。銚子・八日市場方面と千葉・幕張を結んでいましたが、鉄道との競合や一般道区間の多さによる時間面・料金面での不利から利用が低迷し、運行規模の縮小を経て廃止されました。
* 大阪 - 銚子線: 南海バスと共同運行していた夜行高速バスです。2024年 8月31日をもって運行を終了しました。

車両

銚子営業所の一般路線バス車両は、他の多くの営業所と同様に日野自動車製が中心です。近年は成田営業所からの移籍車両が多く見られます。大型車としては、過去に日本航空の業務連絡バスとして使用されたツーステップの日野ブルーリボンシティが特徴的です。中型車には日野レインボーRJやレインボーII、コミュニティバス用途だったリエッセなどが配置されています。少数ながら三菱ふそう製の中型車（エアロミディMJ、MK）も運用されており、かつてローカル線用に水色基調の独自デザインが施されたエアロミディMJが導入されましたが、現在はほとんど残っていません。小型車は日野ポンチョが使用されています。

旭車庫では、以前はいすゞ自動車製のジャーニーKといった、千葉交通としては珍しい車両が導入されていた時期もありました。現在は成田営業所から移籍した日野レインボーIIが主な車両となっていますが、旭市コミュニティバス用の車両には日野ポンチョが充当されています。

高速バス車両は、かつてから三菱ふそう製（エアロエース、エアロバス）が多い傾向にありますが、近年は日野自動車製のセレガも導入されています。また、過去には観光・送迎用途の貸切専用車両（KaNaCカラーの三菱ふそうエアロバス等）も数台配置されていました。

所属車両の管理番号は、銚子営業所所属車が「5」、旭車庫所属車が「6」で始まる記号が用いられており、かつて存在した貸切車は「C」で始まる記号でした。

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