京橋 (岡山市)

岡山・旭川に架かる歴史ある橋、京橋

京橋は、岡山県岡山市の北区と中区の境界を流れる旭川に架かる橋で、その歴史は古く、安土桃山時代にまで遡ります。かつては「大橋」と呼ばれていましたが、橋のたもとに京や大坂の品を扱う店が多い町ができたことから「京町」と改名され、それに伴い橋も「京橋」と呼ばれるようになりました。

江戸時代の京橋

江戸時代の京橋は、長さ約124m、幅約7.3mで、1673年から幕末までに6回も架け替えられました。橋の西端には大門があり、夜間は閉門されていましたが、脇の小門から出入りすることができました。岡山藩は、城下町の入り口である京橋の美観維持に努め、干し物を禁止したり、商売を制限したりするなど、厳しい管理を行っていました。

交通の要衝として栄えた時代

京橋周辺は、江戸時代には橋本町、川崎町、舟着町などの町名が定まるほど、交通の要衝として栄えました。橋本町は、陸路で城下町に入る玄関口であり、水路では海船や高瀬舟の船着き場として重要な役割を果たしていました。しかし、明治時代に入り、鉄道が開通すると、人や物資の輸送の主役が鉄道に移り、京橋の交通の要衝としての機能は低下していきました。

現在の京橋

現在の京橋は、1917年（大正6年）に架け替えられたもので、1923年（大正12年）には岡山電気軌道東山本線の開通に伴い拡張されました。橋の中央には、現在も岡山電気軌道の軌道が併設されています。京橋西詰めには、岡山県里程元標や迷子しるべが設置され、地域の歴史を今に伝えています。

1963年（昭和38年）には、橋の下流に新京橋が完成し、国道の橋の地位を譲ることとなりましたが、現在は都市計画によって、岡山県庁までの川手が散策の道として整備され、市民の憩いの場となっています。また、1988年（昭和63年）には、京橋西詰めの岡山東署の派出所が周辺の景観にふさわしい建物に建て替えられ、2000年（平成12年）には、土木学会選奨土木遺産に指定されました。

京橋朝市

毎月第1日曜日には、京橋のふもとで備前岡山京橋朝市が開催され、地元の人々や観光客で賑わっています。新鮮な野菜や果物、手作りの工芸品などが販売され、岡山の食文化や地域文化に触れることができます。

日本百名橋にも選ばれた京橋

京橋は、その歴史的価値や美しい景観が評価され、日本百名橋にも選ばれています。夜にはライトアップされ、幻想的な雰囲気を醸し出します。岡山を訪れた際には、ぜひ京橋を訪れて、その歴史と文化に触れてみてください。

京橋の諸元

路線名: 岡山県道28号岡山牛窓線
橋長: 131.2m
着工: 1915年（大正4年）6月10日
竣工: 1917年（大正6年）3月26日
* 拡幅: 1923年（大正12年）

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