間(けん)とは
間(けん)は、日本独自の長さの単位であり、基本的には建物の柱の間隔を示す言葉に由来します。この単位は、特に古代の日本建築において、柱間の距離を測るために利用されていました。建物ごとに柱の配置が異なり、それに伴って間の長さも変動していたため、一定の長さを示すものではなく、建物次第で異なるものでした。
近代の間の定義
1891年(
明治24年)に制定された度量衡法によって、1間は6
尺と公式に定義されました。この法律では、1
尺はおおよそ0.3
メートルに相当し、その結果、1間は約1.82
メートルとなります。また、60間で町(丁)が定義され、1坪(歩)は正方形の1辺が1間に相当します。しかし、
計量法の施行に伴い、1958年12月31日をもって公式には廃止されました。
歴史的背景
間の概念は、単なる長さの単位として始まったわけではなく、最初は柱の間隔を表すものでした。古くから、日本では建物を建てる際の
寸法としては
尺が利用されており、測量の段階でもその使用が主流でした。しかし、土地に対する
租税計算の必要性から、土地の測量にも間が用いられるようになりました。この際、時代によって異なる長さが定義され、例えば、
織田信長や
豊臣秀吉の時代ではその長さに変動が見られました。
江戸時代には、6
尺1分(約1.85
メートル)が標準として用いられるようになったのですが、これは双方の誤解から生じたとも言われています。
明治時代には、国際的な
メートル条約への加盟にあたり、間が公的に6
尺であると定められ、それ以後近代的な定義が確立されました。
現代の家屋設計における間
現在でも、間は日本の住宅設計において重要な役割を担っています。特に、東日本では「江戸間」、西日本では「
京間」(本間)が主に用いられています。
畳は通
常、柱と柱の間に置かれるため、実際の配置には柱の幅分だけの調整が必要です。このように、使用される間の大きさによっても
畳のサイズは異なります。
囲碁・将棋における間の使用
間は建築だけでなく、
囲碁や
将棋などのゲームにおいても用語として残っています。
囲碁では石と石の間隔を示すのに使用され、「一間トビ」などの用語が使われています。また、
将棋では縦の筋を指し示す言葉として古く「間」と称され、現在でも「三間飛車」や「四間飛車」といった形でその名残を見ることができます。
まとめ
日本の間は、歴史と文化に深く根ざした単位であり、かつては建築や測量、さらにはスポーツにもその影響を与えてきました。近代化とともに法的な定義は変わったものの、その、もともとの意味やしきたりは今なお大切にされ続けています。