京王デハ1460形電車

京王デハ1460形電車は、京王帝都電鉄（現：京王電鉄）井の頭線で活躍した通勤形電車です。

概要

デハ1460形は、1461号車と1462号車の2両からなる形式でしたが、その生い立ち（出自）は大きく異なっていました。

1461号車: 元は帝都電鉄のクハ501形という制御車でした。帝都電鉄が小田原急行鉄道（小田急）に合併された後、東京急行電鉄（大東急）に統合された際に、クハ1500形1501号車に改番されました。いわば「お嬢様育ち」です。
1462号車: 元は小田急のクハ564形→モハ252形という車両でした。大東急発足時にデハ1350形1367号車となり、1943年に小田原線から井の頭線に転属してきました。「苦労人」と言えるでしょう。

これら2両は、戦災で被災したため、復旧工事が行われました。その際、1949年に片開き3扉の電動車として整備され、デハ1460形を名乗るようになりました。しかし、元となった車両が全く異なるため、同一形式でありながら、車体幅が1461号車は2,680mm、1462号車は2,654mmと異なっていました。

1952年、井の頭線の車両番号整理（改番）により、デハ1460形はデハ1560形（1561号車、1562号車）に改番されました。しかし、1963年8月の京王線架線電圧1500V昇圧に伴い、電動貨車や支線用小型車に電装品を転用することになったため、デハ1560形は電装解除され、運転台も撤去されました。そして、翌1964年にはサハ1560形（1561号車、1562号車）という付随車に改造されました。

その後、3000系電車の増備が進められた結果、サハ1560形は1978年に廃車、解体されました。

形式図

現存しないため、形式図はありません。

主要諸元

形式: デハ1460形 → デハ1560形 → サハ1560形
自重: 36t
定員: 120名
全長: 16,850mm
* 改造年度: 1949年

特記事項

出自が異なる2両が「兄弟」として活躍した珍しい形式でした。また、電動車から付随車へ改造されたという経歴も特筆されます。

まとめ

京王デハ1460形電車は、その複雑な生い立ちと短命な活躍期間から、鉄道ファンの中でも特に記憶に残る車両の一つと言えるでしょう。

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