京福電気鉄道鋼索線

叡山ケーブルについて

叡山ケーブルは、京都市左京区のケーブル八瀬駅からケーブル比叡駅を結ぶ、京福電気鉄道が運営するケーブルカー路線です。一般的には「叡山ケーブル」という愛称で親しまれています。この路線は、叡山電鉄叡山本線や叡山ロープウェイとともに、京都市内から比叡山山頂への主要なアクセスルートを形成しています。

路線データ

路線距離: 1.3 km
軌間: 1,067 mm
駅数: 2駅（ケーブル八瀬駅、ケーブル比叡駅）
高低差: 561 m
最大勾配: 530 ‰ (約27°55′)
最小勾配: 215 ‰
平均勾配: 413 ‰

叡山ケーブルは、高低差561mを誇り、ケーブルカーとしては日本最大級の規模を誇ります。その急勾配をものともせず、山頂へと向かう姿は圧巻です。

運行形態

平日は20分から30分間隔で運行しており、所要時間は約9分です。土曜日、休日、そして観光シーズンには増便されることがあります。ただし、冬季（例年12月初旬から春分の日の頃まで）は、叡山ロープウェイとともに運休となります。しかし、正月の三が日には、延暦寺への初詣客のために特別運行されることがあります。

冬季運休期間中、公共交通機関で比叡山を目指すには、大津側から通年営業している坂本ケーブルが利用できます。

車両

現在、旅客用としてケ型車両2両（1号車、2号車）が使用されています。これらの車両は1987年に武庫川車両工業で製造され、台車は既存のものが流用されています。また、貨車としてケト101が在籍しています。

ケ型車両の主な仕様:
空車重量: 10.6トン
最大乗車人員: 101人（座席定員34人）
最大寸法: 全長12,000 mm、全幅2,780 mm、全高3,630 mm

過去の車両

叡山ケーブルでは、過去に以下のような車両が使用されてきました。

1・2（初代）: 開業時に導入された車両で、車台はスイスのテオドルベル社製、車体は日本車輌製造が製作しました。
3・4: 初代1・2号車と同じく、車台はテオドルベル社製、車体は日本車輌製造が製作しました。戦時中は荷物車に改造され、機材撤去に使用された後、使用されなくなりました。
1・2（2代目）: 初代1・2号車の台車などを流用して製作されましたが、1955年に廃車されました。
1・2（3代目）: 1955年に日立製作所によって製造されました。

歴史

叡山ケーブルの歴史は以下の通りです。

1922年（大正11年）11月8日: 鉄道免許状が下付されました。
1925年（大正14年）12月20日: 京都電燈が叡山電気鉄道部の鋼索線として、西塔橋（現在のケーブル八瀬駅）-四明ヶ嶽（現在のケーブル比叡駅）間を開業しました。
1942年（昭和17年）3月2日: 京福電気鉄道へ分離譲渡されました。
1944年（昭和19年）: 一時休止となりました。
1946年（昭和21年）: 運行が再開されました。
1965年（昭和40年）8月1日: 西塔橋駅がケーブル八瀬遊園駅に、四明ヶ嶽駅がケーブル比叡駅に改称されました。
2002年（平成14年）3月10日: ケーブル八瀬遊園駅がケーブル八瀬駅に改称されました。

駅一覧

叡山ケーブルには以下の2つの駅があります。

ケーブル八瀬駅
* ケーブル比叡駅

両駅とも京都市左京区内に位置しています。

叡山ケーブルは、比叡山へのアクセス手段として、また、その景色を楽しむ観光手段として、多くの人々に利用されています。特に、紅葉シーズンや初詣の時期には、多くの観光客で賑わいます。比叡山を訪れる際には、ぜひ叡山ケーブルでの移動を体験してみてください。

もう一度検索