叡山電鉄叡山本線

叡山本線：比叡山への玄関口、そして地域を繋ぐ路線

叡山本線は、京都府京都市左京区の出町柳駅から八瀬[[比叡山口駅]]までを結ぶ、叡山電鉄の鉄道路線です。全長5.6kmの路線は、京都市中心部から比叡山へのアクセスを担う重要な役割を担っており、叡山ケーブル、叡山ロープウェイと連携することで、比叡山山頂への観光ルートを形成しています。

街と山を繋ぐ、変化に富む路線

出町柳駅から一乗寺駅までは、住宅街と町工場が混在する地域を走ります。その後、三宅八幡駅までは住宅地の中を抜け、静かな住宅街の風景が車窓から楽しめます。三宅八幡駅を過ぎると、高野川沿いを走りながら山間部へと入っていきます。特に三宅八幡駅から八瀬[[比叡山口駅]]にかけては、33.33‰という急勾配が続き、樹木や笹が茂る山深い景観が広がります。この区間は、高低差の大きな変化が特徴的です。

八瀬[[比叡山口駅]]周辺は、かつて「八瀬遊園」という遊園地があり、観光地として賑わっていました。現在では、遊園地は閉園していますが、自然豊かな静かな観光地として多くの人が訪れます。同駅は叡山ケーブルへの乗り換え駅でもあり、比叡山への登山客の拠点となっています。

運行形態：観光需要に対応した柔軟な運行

叡山本線の運行形態は、平日ダイヤと土休日ダイヤの2種類が基本です。昼間時間帯は、鞍馬線直通の出町柳駅～鞍馬駅間と、出町柳駅～八瀬[[比叡山口駅]]間の列車がそれぞれ15分間隔で運行されています。夜間は、二軒茶屋駅や修学院駅発着の列車も運行されます。ほとんどの列車がワンマン運転です。

運行間隔は、観光シーズンや季節イベントなどに応じて変更されます。お盆や年末年始には、平日でも土休日ダイヤで運行されることがあり、観光需要の変動に柔軟に対応しています。また、かつては行先表示板に長方形と丸形を使い分けるという、関西の私鉄では珍しい方式を採用していましたが、現在はデジタル表示が主流となっています。

歴史：京都電燈から叡山電鉄へ

叡山本線は、1925年に京都電燈によって開業しました。当初は架空複線式(ダブルポール)の集電方式でしたが、後に架空単線式に変更されました。鞍馬線とは、前身の鞍馬電気鉄道時代から直通運転を行っており、長い歴史の中で両路線は密接に連携してきました。

開業以来、様々な出来事を経験しています。鴨川水害による全線不通や、京都市電との直通運転、そして京福電気鉄道への譲渡、叡山電鉄への譲渡など、その歴史は激動の時代を反映しています。近年では、観光客の増加に対応するため、観光用車両の導入や駅名の変更など、様々な改善策が実施されています。

路線データ

路線距離：5.6km
軌間：1435mm
駅数：8駅
複線区間：全線
電化区間：全線（直流600V）
閉塞方式：自動閉塞式
保安装置：ATS（速度照査機能付）
最高速度：60km/h
* 最急勾配：33.33‰

叡山本線の未来

叡山本線は、今後も比叡山への玄関口として、そして地域住民の生活路線として、その役割を果たしていくことでしょう。観光客の増加や、沿線の発展に合わせ、更なる発展が期待されます。

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