京都六地蔵

京都六地蔵とは、京都市内に安置されている六体の地蔵菩薩像を指します。これらの地蔵菩薩像は、古くから人々の信仰を集めており、特に「六地蔵巡り」として知られる巡礼の対象となっています。

由来

その起源は平安時代に遡ります。852年（仁寿2年）、小野篁（おの の たかむら）が桜の大木を用いて六体の地蔵菩薩像を彫ったと伝えられています。篁が彫った地蔵菩薩像は、当初、紀伊郡六地蔵村（現在の京都市伏見区と宇治市にまたがる地域）にあった大善寺に祀られていました。

その後、保元年間（1156～1159年）には、後白河天皇の勅命を受け、平清盛が疫病退散を祈願して、西光に命じました。西光は、都へ通じる主要な街道の出入口6箇所に六角堂を建立し、それぞれに大善寺にあった六体の地蔵菩薩像を一体ずつ分置しました。

六地蔵の所在地

現在、六体の地蔵菩薩像は以下の場所に安置されています。

奈良街道：伏見　大善寺
大坂街道：鳥羽　浄禅寺
丹波街道：桂　地蔵寺
周山街道：常盤　源光寺
鞍馬街道：深泥池畔　上善寺（現在は深泥池畔から上善寺に移転）
東海道：山科　徳林庵

これらの六つの地蔵菩薩像は、それぞれが京都の街道口に位置しており、六体合わせて「京都六地蔵」と呼ばれています。

六地蔵巡り

室町時代に入ると、庶民の間で地蔵信仰が広まりました。それに伴い、京都の街道口に安置された六体の地蔵菩薩像を巡拝する「六地蔵巡り」が始まりました。人々は、この巡礼を通して家内安全や無病息災を祈願しました。大善寺は、この「六地蔵巡り」の根本道場として位置づけられました。

現在でも、「六地蔵巡り」は民間信仰として人々に親しまれており、多くの人々がそれぞれの地蔵菩薩像を訪れています。六地蔵を巡ることで、京都の歴史と文化に触れるとともに、心の安寧を求めることができるでしょう。

もう一度検索