京都博覧会

京都博覧会：日本の博覧会の原点

京都博覧会は、明治維新直後の1871年（明治4年）に京都で初めて開催された博覧会です。西本願寺を最初の会場とし、10月10日から11月11日まで開催されました。三井八郎右衛門、小野善助、熊谷久右衛門といった京都の有力者が中心となり、京都府の支援を受けて開催されました。

京都博覧会の歴史

1871年の初回から1928年（昭和3年）まで、合計56回開催されました。1872年には京都博覧会社が設立され、西本願寺、建仁寺、知恩院、京都市勧業館などが会場として使用されました。開催回数は、京都博覧会社設立以降の博覧会に付番されています。その後、京都博覧会社は京都博覧協会と名前を変え、1937年に解散しました。

外国人へのPR

初期の京都博覧会は、外国人へのPRも重要な目的の一つでした。1872年の第1回博覧会では、外国人に向けた告知が東京や横浜、神戸、大阪などの主要都市に掲示されました。しかし、当時は外国人の国内移動が制限されており、博覧会を訪問するには大阪または兵庫で自国の領事による認証が必要でした。博覧会に伴う遊覧も、京都府と彦根から草津・堅田にかけての琵琶湖周辺に限定されていました。1873年の第2回博覧会では、京都府顧問の山本覚馬により英文案内が作成され、海外からの訪問者への情報提供が強化されました。

博覧会館と映像の歴史

1897年には、第4回内国勧業博覧会の工業館を移築した博覧会館が会場となりました。この博覧会館は、リュミエール兄弟の作品を映画化した「リュミエール！」に登場し、京都最古、日本でも最古級の映像として記録されています。

近代化への貢献

京都博覧会は、京都の近代化に大きな役割を果たしました。産業や文化の振興に貢献しただけでなく、外国人へのPRを通じて国際交流を促進しました。博覧会は、新しい技術や文化を紹介する場となり、人々の知識や視野を広げる機会となりました。

まとめ

京都博覧会は、日本の博覧会の歴史の始まりであり、その後の博覧会文化の発展に大きな影響を与えました。明治時代の京都において、産業振興、文化交流、国際PRの拠点としての役割を果たし、近代化を推進する原動力となりました。

京都博覧会沿革誌 - 国立国会図書館デジタルコレクション
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