内国勧業博覧会

内国勧業博覧会（ないこくかんぎょうはくらんかい）は、明治時代の日本で産業の振興と魅力的な輸出品の育成を目的に開催された博覧会です。このイベントは政府の主導で実施され、東京（上野）で3回、そして京都や大阪で各1回、合計5回の開催が行われました。その中でも最も規模が大きかったのは、最後の第五回です。

概要

明治時代は近代化の過程において数多くの博覧会が開かれましたが、内国勧業博覧会は特に重要な位置を占めています。「内国」という名称は、第一回の博覧会を主導した大久保利通の意向に由来し、国内物産の開発や奨励を主な目的としていました。また、当時の日本は万国博覧会を開催するほどの国力がなかったことも大きな理由です。この博覧会は、物品を一堂に集めることでその優劣を明らかにし、出品者の競争心や向上心を刺激することを意図していました。

特に、日清戦争を経た明治中期以降は、内国博を国家的な団結の象徴として位置づけられ、天皇が度々訪れるシーンも見られました。実際、博覧会の開催には天皇の臨幸が重要で、第4回を除いて開場式には皇族が参加することが一般的でした。しかし、会が進むにつれ、博覧会の効果に疑問が生じるようになりました。

各回の開催

第一回内国勧業博覧会

1877年に開催されたこの初回の博覧会は、大久保利通の提案で内務省主導により行われました。この博覧会は、それまでの「見世物」とは異なり、殖産興業を推進するための産業奨励会と位置づけられました。全国からの出品物が集められ、約8万点が出展されました。不安定な状況の中で開催されたにもかかわらず、博覧会はその後の博覧会の基盤となり、産業界における交流の場とされました。

第二回内国勧業博覧会

1881年には、再び上野公園で開催され、多くの受賞作品や新たな建物が登場しました。この回では、彫刻や絵画の分野で高い評価を受けた作品が数多く出展され、会場内には新たな展示館が完成しました。

第三回内国勧業博覧会

1890年に開催された第三回では、入場者数が100万人を超え、若い芸術家が台頭したことが注目されました。特に、15歳の上村松園の作品が高い評価を受け、多くの来場者が関心を寄せました。

第四回内国勧業博覧会

1895年、京都の岡崎公園で開催されたこのイベントでは、大きな話題がich; いくつかの現代的な施設も設立され、アクセスが改善されました。

第五回内国勧業博覧会

1903年、大阪今宮で行われたこの最後の博覧会では、14か国が参加し、31,064点の作品が出展されました。この回は多国籍な雰囲気を持ち、新たなイノベーションが見られるイベントとなりました。

その後

第六回の内国博の計画はありましたが、日露戦争後の経済的混乱のため開催は見送られました。そのため、東京府主催の博覧会が1907年に行われ、再び多くの来場者を迎えました。これらの博覧会は、日本の産業政策や国際的な交流において、重要な役割を果たしたといえるでしょう。

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