京都宝塚会館

京都宝塚会館

京都宝塚会館は、かつて京都市中京区河原町六角に位置していた、東宝系の映画館（京都宝塚劇場、京都スカラ座）の総称でした。地元では「京宝会館」の愛称で親しまれていました。

歴史

1935年10月、京都宝塚劇場として華々しくオープンしました。当初は、舞台での実演と映画上映の二本立てという、当時としては斬新なスタイルでした。こけら落とし公演は、宝塚少女歌劇花組による『花詩集』で、その座席数は1,452席を誇りました。

1936年11月17日には、京都大学オーケストラと大阪コーラルソサエティなどが集い、ベートーヴェンの『交響曲第9番』を演奏。2,800人もの観客を魅了しました。

1942年、戦時統制下で設立された社団法人「映画配給社」によって“紅系”に指定され、松竹大船撮影所が制作した中村登監督の『男の意気』が上映されていました。

1946年1月、GHQに接収され、館名も「ステイトサイド・シアター」と変更。この期間中、日本人の入場は禁止されました。

1952年7月、接収が解除され、洋画ロードショー劇場として再スタートを切りました。

1956年8月には、増築により洋画封切館の京都スカラ座がオープン。座席数は802席。この時、「京都宝塚会館」という総称が与えられました。

1962年11月、京都宝塚劇場は東宝邦画系封切館へと転換しました。

1971年7月には、リニューアルオープンを果たし、新たな時代への幕開けを告げました。

2005年9月、近隣のシネマコンプレックス（MOVIX京都、TOHOシネマズ二条）との競争激化、そして建物の老朽化が重なり、閉館が決定しました。

2006年1月28日・29日、「街（かわらまち）の灯よ、ありがとう」と題したラストショーが京極東宝とともに開催され、70年の歴史に幕を閉じました。最終上映作品は『七人の侍』と『街の灯』。同じ日には、高知市の東宝系映画館「高知東宝1・2・3」も閉館しています。

2008年4月25日、京都宝塚会館の跡地には、複合商業ビル「ミーナ京都」がオープンしました。

各館の特徴

以下は閉館時の情報です。

京都宝塚劇場
定員588人
東宝邦画系作品を上映
千代田劇場→日劇東宝→日劇2系列のチェーン
1か月に1作程度の割合で新作を公開
京都スカラ座
定員507人
東宝洋画系の大作を上映
* 有楽座 / 日比谷映画劇場→日本劇場→日劇1系列のチェーン

両館とも最末期には、サラウンドEXとDTSに対応していました。

京都宝塚会館は、長きにわたり京都の映画文化を支え、多くの人々に愛された映画館でした。その跡地に建てられたミーナ京都も、地域の人々に親しまれる存在となっています。

もう一度検索