京都市営バス錦林出張所

京都市営バス烏丸営業所錦林出張所：歴史と現状

京都市左京区浄土寺真如町に位置する京都市営バス烏丸営業所錦林出張所は、長い歴史を持つバス営業所です。かつては独立した錦林営業所として1976年に開設されましたが、時代の流れとともに組織変更を繰り返し、現在は烏丸営業所の出張所として運営されています。

開設から縮小へ：激動の変遷

1976年4月1日の開設当初は、京都市電錦林営業所の跡地を利用し、多くの路線を運行していました。その後も、地下鉄烏丸線開業(1981年)や地下鉄東西線開業(1997年)に伴う大規模な路線再編、近隣の営業所の廃止・開設など、数々の変化を経験しました。特に、1997年には烏丸営業所の支所、1999年には出張所へと格下げとなり、規模は縮小されました。この縮小は、当時の交通局の財政状況改善策の一環として、営業所敷地の一部を売却したことが背景にあります。現在、売却された土地には老人介護施設が建っています。

担当路線の変遷：地域ニーズの変化を反映

錦林営業所（錦林出張所）が担当した路線は、時代とともに大きく変化しました。開設当初は左京区東部と市内中心部を結ぶ路線を中心に運行していましたが、その後、地下鉄の開通や他の営業所の状況、そして地域ニーズの変化に伴い、担当路線は幾度となく変更されました。例えば、かつては主力路線であった系統も、他の営業所に移管されたり、廃止されたりしています。現在では、錦林車庫を経由する循環系統や均一系統を中心に担当しています。

主要路線の詳細：7号系統、86号系統、105号系統など

錦林出張所は、現在もいくつかの重要な路線を運行しています。主な系統と特徴は以下の通りです。

7号系統（旧17号系統）：錦林車庫前から京都駅前を結ぶ主要路線。かつては京都駅八条口行き、京都駅前行きと２系統存在していましたが、現在は京都駅前行きのみです。京都市電2号系統の代替機能も有しており、早朝深夜も運行されています。四条河原町を経由するため、観光客の利用も多いです。
86号系統：梅小路公園・京都鉄道博物館前から岡崎公園動物園前を結ぶ路線。京都駅前を経由し、祇園などの観光地も通過します。京都市営バスと京都バス嵐山営業所の共同運行となっています。
105号系統：京都駅前と銀閣寺前を結ぶ観光路線。土休日運行で、「楽洛 岡崎・銀閣寺ライン」の愛称が付けられています。
臨202号系統：東山開睛館の通学輸送を目的とした路線。一般客の利用も可能ですが、運行時間や経路が限定されています。
* 203号系統：錦林車庫前を起終点とする循環路線。四条通や今出川通など主要な通りを走行します。かつては27号系統との無料乗り継ぎを実施していました。

過去の路線：廃止・移管された系統

錦林出張所は、歴史の中で多くの路線を担当してきましたが、その中には現在運行されていない系統も多くあります。5号系統、27号系統、57号系統、65号系統、78号系統、93号系統、急行102号系統、204号系統、MN204号系統、MN205号系統、循環2号系統などが挙げられます。これらの路線は、他の営業所に移管されたり、廃止されたり、運行形態が変更されたりしています。

車両：多様な車両の配置

錦林出張所の車両は、開設当初は日野自動車製に統一されていましたが、その後、様々なメーカーの車両が導入されています。近年は一般競争入札により、国内4メーカーの車両が配置されているのが現状です。出張所規模の縮小に伴い、整備場は廃止され、車両整備は烏丸営業所で行われています。過去には、特定系統に専用の塗装が施された車両も存在していました。

まとめ

京都市営バス烏丸営業所錦林出張所は、開設以来、地域住民の足として、そして観光客の利便性向上に貢献してきました。数々の路線を担当し、組織変更や路線再編などを経て、現在の姿になりました。今後も地域社会に貢献していく役割を担う重要な拠点として、その役割を継続していくものと考えられます。

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