四条通

京都の東西を貫く大動脈：四条通

四条通は、京都市を東西に貫く主要道路です。その歴史は古く、平安京の主要な通りである四条大路にまで遡ります。東は祇園の東大路通、八坂神社の石段下から始まり、西は松尾大社まで、京都盆地の東西を繋ぐ重要な役割を担っています。

四条通の現状と交通

祇園から松尾大社までの全区間は、主要地方道である京都市道186号嵐山祇園線に指定されています。東側は4車線道路、西側は2車線道路と、区間によって道路幅が異なります。特に祇園から四条烏丸にかけては、四条河原町交差点を中心とした京都最大の繁華街を形成し、古くから商業の中心地として賑わいを見せてきました。四条室町は「鉾の辻」と呼ばれ、下京の中心として歴史的に重要な位置を占めています。

しかし、その繁栄の裏で、四条通は常に激しい交通渋滞に見舞われています。特に山鉾巡行が行われる四条烏丸交差点から四条河原町交差点間では、山鉾の通行を考慮し、信号機が簡単に折り曲げられる特殊な構造が採用されています。四条通の多くの場所からは、東に東山、西に松尾山と、両側に緑豊かな山々を望む、京都らしい美しい風景が広がっています。また、四条河原町から西大路四条にかけては、阪急京都本線が地下を走っており、烏丸駅と京都河原町駅間には地下道も整備されています。

歴史と変遷

明治末期から大正初期にかけて行われた京都市三大事業、そしてその後も続いた都市計画事業により、四条通は東大路通から西大路通まで拡幅され、京都市電（四条線）も敷設されました。近年では、2007年に京都市が川端通から烏丸通間をトランジットモール化（マイカー通行禁止）する構想を発表し、社会実験も行われました。現在、東大路通から烏丸通までは路上喫煙なども禁止されています。

歩道拡幅事業と交通量の変化

2012年、京都市は四条繁栄会商店街振興組合の要望を受け、川端通から烏丸通間において歩道の拡幅と車道の縮小（片側2車線から1車線）を決定しました。これは「歩くまち京都」事業の一環として、総事業費29億円を投じた大規模なプロジェクトでした。車道幅を狭めることで歩行者空間を確保するというこの試みは、大都市の中心部では異例であり、注目を集めました。

しかし、この事業は当初、予想外の渋滞を引き起こし、市民からの苦情も相次ぎました。それでも2019年時点での結果を見ると、通行車両数は約4割減少し、周辺道路でも1～2割減少しています。ドライバーに「四条通は避けた方が良い」という印象を与えたことも、交通量減少の要因の一つと考えられています。一方、歩行者数は拡張前と比較して2割増加し、沿道の商店の売上や地価も上昇するなど、歩行者中心の街づくりへの効果も現れています。市は、パークアンドライド駐車場の整備なども併せて行っています。

四条通沿いの主な施設

四条通沿いには、多くの歴史的建造物や商業施設が立ち並んでいます。八坂神社、祇園、花見小路、南座、四条大橋、先斗町、そして数多くの百貨店、商業施設、伝統的な町家など、多様な魅力が凝縮されています。また、京阪電気鉄道の祇園四条駅、京都市営地下鉄烏丸線の四条駅、阪急電鉄の各駅など、多くの鉄道駅も沿線に存在し、交通の便も非常に良好です。

まとめ

四条通は、歴史と文化、そして現代の賑わいが共存する、京都を代表する通りです。これからも、歴史と伝統を守りながら、歩行者中心の街づくりを進めていくことが期待されています。

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