京都市電白川線

白川線の歴史と概要

白川線（しらかわせん）は、かつて京都市の白川通に走っていた市電の専用軌道であり、昭和中期に建設されました。この路線は、都市計画の一環として開発され、市の公共交通網の一部として運行を開始しました。白川線は、今出川線と丸太町線とを結ぶ役割を果たし、沿線には錦林車庫が設置されていました。

白川線の建設は、戦後の都市復興の一環として行われ、昭和29年（1954年）3月1日に銀閣寺道から天王町までの全線が開業しました。この開業は、京都市電では戦後初の新規路線の開設を意味しました。さらに翌年の1955年には、錦林車庫が開設され、運行の効率化が図られました。1962年には急行運転が開始されるなど、利便性向上にも努めました。

また、1964年にはワンマンカーの運行が始まり、市民の移動手段としての役割を果たしました。このワンマン運行は、当初は添乗員が同乗する形でしたが、その後一人乗務が実施され、運行の柔軟性が増すこととなりました。

しかし、時代の流れとともにバスや自動車交通が主流となり、1976年（昭和51年）に白川線は廃止されることとなりました。3月31日には運行最終便が運行され、4月1日には白川線全線が廃止され、市バスに転換されました。また、同時に錦林車庫も閉鎖され、その歴史に幕を下ろしました。

沿革

• - 1923年（大正12年）5月26日: 市会が「第七十七號議案」を採択し、白川線の路線が決定。
• - 1954年（昭和29年）3月1日: 銀閣寺道－天王町全線が開業。
• - 1955年（昭和30年）1月16日: 錦林車庫が開設。
• - 1962年（昭和37年）3月27日: 日曜祝日を除く急行運転が開始。
• - 1964年（昭和39年）6月1日: ワンマンカー運行が始まる。
• - 1965年（昭和40年）12月1日: 自動車の併用軌道への全面開放。
• - 1976年（昭和51年）3月31日: 最後の電車運行が行われる。
• - 1976年（昭和51年）4月1日: 白川線が全線廃止され、市バスサービスに移行。

白川線はその短い運営期間ながら、京都の交通史において重要な役割を担っていました。今ではその名前も記憶の中にしか残っていませんが、当時の市民にとっては貴重な交通手段であったことが伺えます。白川線の廃止を通じて交通手段の変遷と都市の発展を考えることができます。この地域の歴史を知る上で、白川線の存在は欠かせないものです。

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